熊本市議会 2015-09-18
平成27年第 3回予算決算委員会−09月18日-03号
平成27年第 3回
予算決算委員会-09月18日-03号平成27年第 3回
予算決算委員会
予算決算委員会会議録
開催年月日 平成27年9月18日(金)
開催場所
予算決算委員会室
出席委員 47名
三 島 良 之 委員長 田 尻 将 博 副委員長
満 永 寿 博 委員 藤 岡 照 代 委員
光 永 邦 保 委員 大 塚 信 弥 委員
山 部 洋 史 委員 緒 方 夕 佳 委員
小 池 洋 恵 委員 三 森 至 加 委員
高 本 一 臣 委員 小佐井 賀瑞宜 委員
寺 本 義 勝 委員 西 岡 誠 也 委員
福 永 洋 一 委員 田 上 辰 也 委員
浜 田 大 介 委員 井 本 正 広 委員
藤 永 弘 委員 原 亨 委員
原 口 亮 志 委員 紫 垣 正 仁 委員
くつき 信 哉 委員 田 中 敦 朗 委員
那 須 円 委員 重 村 和 征 委員
村 上 博 委員 上 田 芳 裕 委員
園 川 良 二 委員 倉 重 徹 委員
澤 田 昌 作 委員 齊 藤 聰 委員
大 石 浩 文 委員 田 尻 善 裕 委員
上 野 美恵子 委員 白河部 貞 志 委員
鈴 木 弘 委員 津 田 征士郎 委員
坂 田 誠 二 委員 竹 原 孝 昭 委員
江 藤 正 行 委員 藤 山 英 美 委員
田 尻 清 輝 委員 落 水 清 弘 委員
古 川 泰 三 委員 家 入 安 弘 委員
田 辺 正 信 委員
欠席委員 1名
北 口 和 皇 委員
議題・協議事項
(1)議案の審査(12件)
議第 181号「平成27年度熊本市
一般会計補正予算」
議第 184号「熊本市
地域コミュニティセンター条例の一部改正について」
議第 187号「熊本市手数料条例の一部改正について」
議第 191号「熊本市物産館条例の一部改正について」
議第 192号「熊本市
田原坂西南戦争資料館条例の一部改正について」
議第 194号「熊本市軌道条例の一部改正について」
議第 246号「平成26年度熊本市各会計(
公営企業会計を除く。)決算について」
議第 247号「平成26年度熊本市
病院事業会計決算の認定について」
議第 248号「平成26年度熊本市
水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
議第 249号「平成26年度熊本市
下水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
議第 250号「平成26年度熊本市
工業用水道事業会計利益の処分及び決算の認定について」
議第 251号「平成26年度熊本市
交通事業会計資本金の額の減少及び
資本剰余金の処分並びに決算の認定について」
午前 9時59分 開会
○三島良之 委員長 ただいまから
予算決算委員会を開会いたします。
昨日に引き続き、総括質疑を行います。
なお、委員より申し出がありました資料につきましては、お手元に配付しておきました。
これより
公明党熊本市議団の質疑を行います。持ち時間は45分となっております。
まず、
浜田大介委員の質疑を行います。
〔
浜田大介委員 登壇 拍手〕
◆浜田大介 委員 おはようございます。
公明党熊本市議団の浜田大介でございます。
私の方からは平成26年度の決算における一般会計の歳入について質疑をさせていただきます。
きょうはお手元に3枚の資料を配付させていただきましたので、資料に沿って質疑を進めさせていただきます。よろしくお願いします。
初めに、過去10年間の歳入推移についてお尋ねいたします。
資料①のグラフ1をごらんください。過去10年間の一般会計における歳入合計の推移及び歳出における民生費と民生費以外の推移をグラフにしたものです。
まず、歳入について、平成26年度一般会計は2,983億7,607万円であり、前年度より38億4,112万円の増、比率でいうと1.3%増加しており過去最高であります。また、平成17年度の歳入が2,080億8,015万円であり、10年間で1.43倍増加しております。特に平成21年度、平成22年度、平成25年度が急激に増加していることがわかります。これは、資料中にも箱書きでコメントしていますように、平成20年10月の富合町の合併、平成22年3月の植木町、城南町の合併、平成24年4月の
政令市移行によるものが主な原因と考えられます。
次に、民生費についてですが、平成17年度は663億4,975万円、これが平成26年度は1,224億8,320万円と10年間で1.84倍も増加をしております。
また、民生費以外については過去10年間で1.24倍伸びており、平成20年度は若干減少もしております。
民生費のカーブの描き方が歳入合計のカーブと似通っていることから、歳入増加の要因としては
民生費増加の影響は大きいことが言えると思います。
次に、次の
ページ資料②のグラフ2をごらんください。過去10年間の一般会計、歳入の款別の推移をグラフにしたものです。
歳入の場合、大きなウエートを占めている項目としては、上から市税、
国庫支出金、市債、
地方交付税、県支出金の5つが挙げられます。
まず、市税については平成21年度に一旦減少しておりますが、ほかの年はおおむね毎年増加しており、特にここ数年は順調に増加しています。
次に、
国庫支出金については平成21年度、平成25年度に大きな増加となっています。
次に、市債につきましては平成23年度に大幅に減少、平成24年度に大幅に増加しています。
次に、
地方交付税については市債とは対照的に平成23年度に大幅に増加、逆に平成24年度は大幅に減少しています。
県支出金につきましては、平成25年度に大幅に増加、逆に26年に大幅減少しております。
そのほかの歳入で特筆すべきものとして
地方消費税交付金があります。
地方消費税交付金については、平成26年4月に消費税が5%から8%になったことで、その分伸びております。
消費税の本市への配分につきましては、5%のときが1%、これが8%になったときに1.7%になっております。さらに10%のときには2.2%となる予定です。消費税については、現在国では軽減税率の内容で議論になっておりますが、今後安定的に見込める財源となります。
同じく、その右側、資料②のグラフ3をごらんください。過去10年間の
一般会計歳入の款別構成比の推移をグラフにしたものです。
一番下の棒グラフ、市税の構成比が平成17年度では40.6%ありましたが、平成26年度では32.9%と年々減少していることがわかります。
市税については、
金額ベースにつきましては年々増加しておりますが、構成比で見ると減少していることがわかります。
そこでお尋ねいたします。
1点目、歳入の上位を占める5つの区分、市税、
国庫支出金、市債、
地方交付税、県支出金について、これまでの10年間の増減の推移をどのように分析されていますでしょうか。
2点目、またそれぞれ平成26年度の増減はどのような要因によるものでしょうか。
3点目、市税について
金額ベースでは毎年堅調に伸びているにもかかわらず、構成比で見ると毎年減少しているのはなぜでしょうか。
以上、財政局長にお尋ねいたします。
〔
木下修一財政局長 登壇〕
◎木下修一 財政局長 歳入に関してのお尋ねに順次お答えいたします。多少長くなりますことをおわび申し上げます。
歳入の上位5位の10年間の増減の推移、それから歳入上位5位の平成26年度の増減要因について、あわせてお答えいたします。
まず、市税は平成17年度以降、三位一体の改革による国から地方への税源移譲の影響により増加傾向となり、平成21年度に
リーマンショックによる景気後退の影響で大きく減少いたしましたが、その後、合併、景気の緩やかな回復、特別徴収の推進など収納率の向上により増加傾向が続いております。
平成26年度は、前年度から22億3,000万円、2.3%増加しておりますが、主な要因として特別徴収の完全実施の推進などによる
個人住民税の増、景気回復に伴う
法人市民税の増、新築・増築件数の増などによる
固定資産税の増などが挙げられます。
次に、
地方交付税は三位一体の改革により平成19年度までは減少いたしましたが、平成21年度以降、
リーマンショックによる景気後退により市民税が減少する一方で、
生活保護費などの
社会保障関係経費が増加したことにより財源不足が拡大したため大きく増加しましたが、平成24年度の
政令指定都市移行に伴い、
普通交付税から
臨時財政対策債への振りかえが多くなったことから大きく減少しております。
平成26年度は、前年度から13億2,000万円、3.6%減少しておりますが、主な要因として、
普通交付税について
地方消費税交付金の増などによる
基準財政収入額の増が平成25年度の給与削減の復元や
社会保障関係経費の増などによる
基準財政需要額の増を上回ったことにより、
普通交付税で手当てされる財源不足が減少したことが挙げられます。
国庫支出金及び県支出金は平成21年度以降大幅に増加しておりますが、これは
生活保護費や
障害者自立支援給付費などの扶助費の増加に伴う国・県負担分の増などに加え、特に平成21年度及び25年度は国の経済対策による
投資的経費の増などにより大きく増加しております。
平成26年度は、
国庫支出金が前年度から12億円、2%増加する一方、県支出金が前年度から37億5,000万円、21.2%減少しておりますが、いずれも経済対策の影響による国の
臨時福祉給付金や
地域住民等緊急支援交付金などの増、平成25年度に増額となった県の強い
農業づくり交付金の減などが挙げられます。
最後に、市債は
投資的経費の抑制により、平成20年度までは200億円程度で推移しておりましたが、平成21年度以降、合併に伴う
新市基本計画の推進や
政令指定都市移行に伴う区役所整備や国・県道整備などの
投資的経費の増加により通常債が大きく増加し、さらに
臨時財政対策債について、
政令指定都市移行後、
普通交付税からの振りかえが多くなったことから、近年は400億円台で推移しております。
平成26年度は、前年度から4億1,000万円、1%減少しておりますが、主な要因として
普通建設事業の減や地域の元気基金の活用による発行額の減などが挙げられます。
次に、市税の構成比についてお答えします。市税は、平成17年度から26年度にかけて138億2,000万円、16.4%増加しておりますが、構成比は平成17年度の40.6%から平成26年度には33%に減少しております。
一方で、
国庫支出金及び市債について、ただいま申し上げた理由などにより平成17年度以降、構成比が増加しております。具体的に、
国庫支出金は平成17年度から平成26年度にかけて310億7,000万円、99.7%増加し、構成比は平成17年度の15%から平成26年度には20.9%に増加しております。
また、市債は平成17年度から平成26年度にかけて247億円、133.8%増加し、構成比は平成17年度の8.9%から平成26年度には14.5%に増加しております。
このように、市税の増加以上に
国庫支出金及び市債が大きく増加していることで、構成比については相対的に
国庫支出金及び市債の比率が増加し、市税の比率が減少しているものと考えられます。
〔
浜田大介委員 登壇〕
◆浜田大介 委員 ありがとうございました。過去10年間の歳入増減については、
政令市移行や
収納率向上などの本市独自の政策によるものもありますが、やはり全体的には三位一体の改革、
リーマンショック、
社会保障費、消費税、
臨時財政対策債など国の政策や社会情勢の影響が大きいことがわかりました。
特に、市税につきましては平成26年度より22.3億円、2.3%増加している要因として、特別徴収の実施、景気回復に伴う
法人市民税の増加、新築・増築件数の増加などによる
固定資産税の増加が挙げられました。
法人市民税が増加したことから、景気回復の効果が企業には戻りつつあるものの、個人にはまだ届いていないことがわかります。
一方、新築・増築件数の増加は景気回復への市民の期待を見ることができます。また、財政課にお聞きしたところ、平成26年度の市債約430億円のうち、
臨時財政対策債分は約219億円とお聞きしました。
臨時財政対策債については、その問題が本委員会でもさまざま指摘されておりますが、
普通交付税に戻す段階に来ているのではないかと思います。この問題については、先日の
決算概況説明でも市としても国に要望していくことが述べられましたし、市議会といたしましても、
臨時財政対策債を廃止して
普通交付税の交付になるよう、青本等で要求してまいりたいと思っております。
市税の構成比につきましては、
国庫支出金と市債の比率が大きく増加したために相対的に減少しているとのことで、財政状況が年々厳しくなっていることを感じております。
次に、市民税についてお尋ねいたします。
3枚目の資料3のグラフ4をごらんください。過去10年間の本市の市債について、項目ごとの推移をグラフにしたものです。
このグラフからもわかりますように、市民税と
固定資産税で市税の約86%を占めており、この2つが基幹となる税と言えます。特に、市民税につきましては、平成24年度以降、順調に伸びていることに注目してみたいと思います。
この伸びについて、平成24年度から平成26年度までの3年間の決算時の監査報告を確認したところ、この市民税の増加要因について
年少扶養控除の廃止などにより、
個人市民税が増加したこと、景気の持ち直しにより
個人市民税、
法人市民税が増加したこと、特別徴収を推進したことによる収納率の向上、
東日本大震災からの復興財源の確保のために市民税が年額500円増加したことなどが挙げられておりました。
これらの要因については、
年少扶養控除の廃止や
東日本大震災対応など、国や県の制度変更に依存して増加した部分と、特別徴収の推進や景気の持ち直しなど、本市の努力や景気状況の変化によって増加した分に分けることができます。そのことによって、本市の努力がどのような効果があったのか、どの程度効果があったのかをはかることができます。
そこで、財政局長にお尋ねいたします。平成24年度から平成26年度までの3年間の市民税の増加要因について、景気の持ち直しや本市の努力部分は増収の何%を占めていますでしょうか。要因ごとの比率をお示しください。よろしくお願いします。
〔
木下修一財政局長 登壇〕
◎木下修一 財政局長 市税について、24年度からのお尋ねでございましたが、
税制改正等の影響がございますので、平成23年度からの比較ということで御説明さしあげたいと思います。
平成26年度の市民税の収入額は、平成23年度と比較し約40億円増加しております。この間に行われた主な税制改正としては、
個人住民税では
年少扶養控除の廃止、均等割額の引き上げ、
法人市民税では
法人実効税率の引き下げがあり、これらの影響により、合わせて約12億円の増収があったと考えております。また、収納率の向上により約4億円、
個人市民税の特別徴収の推進により約2億円の増収があり、残りの約22億円が景気の持ち直しによる増収だと考えております。
したがいまして、増収の要因ごとの比率は税制改正が約30%、本市の努力部分が約15%、景気の持ち直しが約55%となると考えております。
〔
浜田大介委員 登壇〕
◆浜田大介 委員 市民税の増加要因について、税制改正が約30%、本市の努力部分が約15%、景気回復分が約55%ということでした。やはりこの景気が与える税収への大きさを改めて確認いたしました。また、本市の税収増に一定の努力をされていることもわかりました。さらにこの税収増に向けた努力をお願いしたいことを求めておきます。
それでは次に、自主財源の
政令市比較についてお尋ねいたします。
同じく資料3の表1をごらんください。市民1人当たりの市税、
個人市民税、
法人市民税、
自主財源比率の
政令市比較をしたものであります。
自主財源の柱である市税について、市民1人当たりの市税の
政令市比較を見ると、本市は最下位となっております。
次に、市民税を
個人市民税、
法人市民税に分けて、それぞれ市民1人当たりの
政令市比較を見た場合、本市の
個人市民税は最下位で1人当たり4万7,000円、トップの川崎市の7万9,000円に比べると3万2,000円も違いがあります。
また、1人当たりの
法人市民税についても、本市は20政令市中18番目であり、トップの大阪市の3分の1以下、本市の同規模である岡山市や静岡市と比較しても少ないことがわかります。このため、財源の安定性の指標である
自主財源比率についても、政令市では最低となっております。
そこでお尋ねいたします。本市の市税、
自主財源比率が他の政令市と比較して最下位である現実について、どのように分析、検討されていますでしょうか。財政局長、よろしくお願いします。
〔
木下修一財政局長 登壇〕
◎木下修一 財政局長 本市の自主財源については、今委員も述べられましたようにその約8割を市税が占めており、市税の低さが
自主財源比率の低さにつながっております。
本市の平成26年度の税収額は約983億円で、そのうち
固定資産税が約388億円、
個人市民税が約352億円、
法人市民税が約104億円となっております。
固定資産税の税収が低い要因としては、税収の柱となる大きな建物が少ないこと、市の中心部の土地の地価は高いという状況ですが、周辺に地価の低い農地や山林が多いこと、また
償却資産課税の対象となります工場などが少ないことが挙げられます。
個人市民税の税収が低い要因としては、雇用に直結し、より多くの個人所得が期待できる大きな企業が少ないことが挙げられます。
延べ床面積1,000平方メートルを超える事業者に課税される事業所税を他の
政令指定都市と比較いたしますと、本市の平成25年の税収は約20億円で最下位であり、同規模の相模原市の約29億円、岡山市の約36億円と比較しても税収が低く、
法人市民税の税収の低さにもつながっております。
このため、
自主財源比率を向上させ、財政基盤を強化して、将来にわたり健全な財政運営を進める上では、市税の増加が不可欠でありますことから、まずはこれまで推進してきました特別徴収、
初期未納対策及び滞納処分などの取り組みを一層強化することによって、さらなる収納率の向上を図ることが必要であると考えております。
また、中長期的には、現在策定中の第7次総合計画や熊本市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略などに基づく取り組みを促進し、地域経済の活性化や地域の活力の維持向上を実現することによって、税源涵養を図ることが必要であると考えております。
さらには、税率等の賦課状況も含め、他都市との比較や分析を行いながら、将来世代に過度な負担を残すことなく、持続可能な財政運営ができるよう、必要な税財源の確保に向けた研究も行ってまいりたいと考えております。
このほか、市税以外にも使用料などの受益者負担の適正化、債権管理の強化及び新たな
歳入確保策など、さまざまな取り組みを積極的に進めることによって、自主財源全体の引き上げを図ってまいりたいと思っています。
〔
浜田大介委員 登壇〕
◆浜田大介 委員 ありがとうございました。御答弁でも挙げられておりましたが、本市はほかの政令市と比較しましても、
民間事業所が、また製造業、また大企業などが少ないと言われております。やはりそのことが、この
自主財源比率の低い背景にあるのではないかと思います。
この
自主財源比率の向上について、収納率の向上を図り、中長期的には地域経済の活性化、地域の活力向上が必要であるとおっしゃいました。大変重要なことであると思っております。
現在、第7次総合計画の策定が進められておりますが、この計画を策定することで、どの程度この自主財源が変化していくのか、こういったことも丁寧に説明していただくよう求めておきたいと思います。
そこで次に、自主財源の確保についてお尋ねいたします。
人口減少、特に
生産年齢人口の減少に伴う自治体の税収減が叫ばれている中、いかに歳入を確保していくかが大きな課題であります。そのためには、交付金や市債など依存財源に頼るのではなく自主財源をしっかりと確保していくことが重要であります。
自主財源確保の王道としては、
生産年齢人口をふやすこと、企業立地を推進すること、観光政策により交流人口をふやすことなどであります。また、市民税などの税収率を上げることも重要であると思います。
これら一般的な方策とは別に、今後は各自治体がそれぞれ知恵を絞り、さまざまな工夫をして、歳入を確保していくことも重要であると思います。
そこで、幾つかの例を挙げて、本市の考えをお尋ねしていきたいと思います。
まず、
ふるさと納税の活用があります。本年4月の税制改正により、控除額が2倍となるなど、
ふるさと納税が注目を集めています。ふるさととありますように、力を入れている自治体としては、九州では長崎県の平戸市や、宮崎県の綾町など比較的小さな自治体が多いようですが、年間10億円を超える自治体もあり、各自治体が創意工夫を凝らして取り組んでいるようです。
次に、法定外税の活用があります。地方税法で定められている税目とは別に、自治体が独自に条例を制定するなどして課税することができる法定外税を活用することも考えられます。法定外税の設定には、条例による議会の議決と総務大臣の同意が必要であります。例としまして、東京都の宿泊税や太宰府市の歴史と文化の環境税、熊本県の
産業廃棄物税などがあるようです。また、既存の税目に上乗せをする
課税自主権の活用も考えられます。
次に、命名権、
ネーミングライツの活用もあります。本市では
市民会館崇城大学ホールがあります。
ネーミングライツ料の半分は一般財源になっているようであります。
次に、未使用資産の活用、こういったものもあります。本市の未使用資産を売却する、また貸し出しをするなどして貸出料を取るということで有効活用すべきだと思っております。
そこでお尋ねいたします。
1点目、本市の市民税の税収率はどの程度なのでしょうか。ほかの政令市と比較してどうでしょうか。また、これまで
税収率向上に向けてどのような取り組みを行われたのでしょうか。
2点目、
自主財源確保の取り組みとして、ただいま述べました
ふるさと納税や法定外税、
課税自主権の活用、
ネーミングライツの活用、未使用資産の活用について、現状活用しているものがあるのか、また、今後活用を考えているものがあるのか、本市のお考えをお聞かせください。
また、そのほか
自主財源確保策について工夫していることがあればお示しください。
以上、大西市長にお尋ねしたいと思います。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 平成26年度決算における本市の市民税の収納率でございますが、94.68%でありまして、
政令指定都市20市中17位となっております。
また、市税
収納率向上に向けたこれまでの取り組みにつきましては、滞納初期段階においては、民間企業や嘱託員を活用した電話による納付案内や、戸別訪問による納税指導等を実施し、また滞納者対策としては財産調査や差し押さえを推進するとともに、特別滞納対策室を中心として高額、困難案件の解消にも努めてきたところでございます。
今後とも、引き続き適切な市税の賦課徴収に取り組み、公平公正な市民負担を確保する観点から、市税収納率のさらなる向上を目指してまいります。
また、
自主財源確保の取り組み等についてでございますが、まずふるさと応援寄附金、いわゆる
ふるさと納税の活用については、平成26年度の受け入れ実績は84件、約193万円となっております。これに加え、本市では同じ寄附控除の適用となる熊本城復元整備基金、いわゆる一口城主制度や、市電緑のじゅうたんサポーター制度などの基金がございまして、これらを合わせた平成26年度の寄附金の総額は約2億118万円となっておりまして、他の
政令指定都市と比べても遜色のない金額となっております。
このような中、委員御指摘のような自治体の創意工夫を求める声もありますことから、ふるさと応援寄附金については、本年10月1日より本市の伝統工芸の振興とロアッソ熊本の支援を目的とした返礼品の拡充を行うこととしております。
次に、
課税自主権の活用につきましては、法定外税の導入のほか、独自に税率を設定できる税目もあることから、今後、調査研究してまいりたいと考えております。
また、
ネーミングライツの活用につきましては、新たな財源を確保するとともに、民間企業との連携による本市の文化的土壌のさらなる醸成を図るため、委員御指摘のとおり平成20年度から市民会館に
ネーミングライツパートナー制度を導入しておりまして、平成27年度までの収入総額は9,972万円となっております。
なお、市民会館につきましては、平成28年度以降も引き続き導入することとして、現在パートナー募集を行っているところでございます。
また、未利用資産の活用につきましては、第5次行財政改革計画に、適正な公有財産の管理として位置づけ、未利用地について、庁内に積極的な情報提供を行い、利活用の予定がない土地の売却などを進めておりまして、平成26年度の売却実績は11件、約9,219万円となっております。
今後、平成26年度に設置いたしました熊本市市有財産活用調整会議での検討を通じて、関係各課が密接に連携しながら、未利用地のさらなる有効かつ効率的な活用を図っていくこととしております。
本市においては、ただいま述べた取り組みのほかに、例えば広告事業として平成18年度から、ごみ・資源収集カレンダーを初め、市政だより、市ホームページなどへの広告の掲載や広告つき地図案内板の設置などを行っております。
本市にとって、財政基盤の強化のための自主財源の確保は喫緊の課題でございますことから、今後ただいま述べました取り組みのさらなる充実を図ることはもとより、新たな歳入の確保に向けて、全庁的に意識を高め、知恵と工夫を発揮して情報収集や調査研究などを積極的に行ってまいりたいと考えております。
〔
浜田大介委員 登壇〕
◆浜田大介 委員 ありがとうございました。市民税の収納率は94.68%、政令市では17番目ということでした。やはりこの滞納の原因につきましては、さまざまな理由があると思います。しっかりその理由を個々に見きわめ、対応していく必要があると考えております。
名古屋市や、横浜市など収納率が99%以上の政令市につきましては、それだけ多くの職員を充てて収納率に取り組んでいるようでございます。都市構造や人口規模は違いますが、本市としてどこまで力を入れるべきか、他都市の研究、調査をし、効果的な収納率アップに向けて取り組んでいただくことを求めておきます。
また、自治体の裁量で検討できる自主財源の確保策につきましては、まだまだ検討の余地があるのではないかと思いますので、私もしっかりと研究していきたいと思っております。
どうしても、やはりこの歳出の方に目が行きやすいものでございます。歳入をふやす議論が今後も必要になってくると思っております。
歳入確保のために全庁的な意識を高め、取り組んでいただくよう求めておきます。
それでは最後に、今後の市税の見込みについてお尋ねいたします。
本年2月に出されました熊本市財政の中期見通しでは、今後5年間の市税収入は、平成26年度の983億円から、5年後の平成31年度は990億円と、0.7%の伸びとなっております。これは、前提条件が過去の実績ベースでの見通しであります。目標とすべきものではないと私は考えております。
本市では、地方創生に取り組む中において、本市の目指すべきまちづくりの方向性を定める第7次総合計画の策定や、まち・ひと・しごと創生法に基づく熊本市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略を今後策定することとしております。これらの計画を策定することにより、企業誘致目標、またUIJターン等による
生産年齢人口の増加目標、観光政策などによる交流人口の増加目標、待機児童解消などによる女性の活躍促進の目標が見えてくると考えております。
そこでお尋ねいたします。第7次総合計画や熊本市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略の結果より、企業誘致や
生産年齢人口、交流人口の目標など、さまざまな要素を考慮した上で、今後の市税の歳入の目標を立てるべきであると考えておりますがいかがでしょうか。大西市長にお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今後の市税の見込みといたしましては、本年2月に公表いたしました熊本市財政の中期見通しにおいて、平成31年度までの見込みをお示ししているところでございます。その際、平成27年度当初予算をベースに、現行税制のもと、過去の実績なども勘案した上で、確定している税制改正などの影響を反映させて推計しておりますけれども、政府が示す経済成長率など、経済情勢の変化はこの点では考慮しておりません。
税収は、一般的に税制改正、人口、年齢構成や景気動向、経済情勢など、さまざまな要素の影響を受けるものでありまして、例えば景気の上昇は個人所得や消費の増加、法人所得や設備投資の増加、地価の上昇などを通じて結果的に税収拡大につながるものでございます。
このため、雇用の拡大や産業の振興などに係る個別の取り組みの成果が税収に与える影響について、一定の確実性を持って推計することは困難であると考えておりますが、例えば本市が現在策定を進めております熊本市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略においては、少子化の克服と次世代育成、移住・定住の促進と交流の活発化及び地域の特性に応じた社会環境の創出の3つの基本的な柱を掲げ、本市の特性を踏まえた独創的でかつ実現性の高い施策や事業を打ち出していくこととしております。その中で、雇用の拡大、産業の振興及び観光文化の振興などにも取り組み、地域経済の活性化や地域の活力の維持向上を実現することによって、税源涵養及び税収拡大を図ってまいりたい、このように考えております。
〔
浜田大介委員 登壇〕
◆浜田大介 委員 ありがとうございました。今後の市税の見込みについて、一定の確実性を持って推計することは困難であるとの御答弁でした。数字がひとり歩きすることにつきましては、曖昧なこの数字を出すことにやはり慎重になられているようです。
これまでも、議会の中で中期の見通しの発表をするべきだといった求めに対して、やはり今市長が御答弁いただいたような答弁が繰り返されているということを先輩議員からもお聞きしております。
しかしながら、本市のこの数字を提示することによって、市民や議会に本市の財政が将来どのような方向に推移していくのか、これを示すこと、これは大事なことであると思います。例えば、本年2月に公表されました本市の財政の中期見通しは、経済情勢の変化が考慮されておりませんので、経済情勢の変化を加味した場合を検討されてみてはいかがでしょうか。経済情勢を上位、中位、下位の3段階で想定し、それぞれの場合をシミュレーションすることで、市民や議会に対してより現実的な本市の将来財政の見通しを示すことができると思います。よく検討していただくことを求めておきたいと思います。
以上で私の質疑は終わりとさせていただきます。丁寧な御答弁ありがとうございました。藤永委員にバトンタッチいたします。ありがとうございました。(拍手)
○三島良之 委員長
浜田大介委員の質疑は終わりました。
次に、藤永弘委員の質疑を行います。
〔藤永弘委員 登壇 拍手〕
◆藤永弘 委員 おはようございます。公明党市議団の藤永弘です。
今、浜田委員より歳入についての質疑がありましたので、私の方からはまず歳費について質疑を行います。
今般、平成26年度決算が出されたことを受けて、平成17年度から平成26年度までの10年間の歳出決算の推移を調べました。
平成17年度からの9年間の中で、本市は平成20年10月に旧富合町と合併し、また平成22年3月に旧城南町及び旧植木町と合併し、さらに平成24年4月に
政令指定都市に移行することで拡大してきましたが、それに伴って歳出も大きく増加してきています。
その中身を性質別に見ますと、扶助費が大きく増加しています。具体的に、決算額は平成17年度の445億円から平成26年度は864億円と2倍近くに増加し、構成比も平成17年度の21.8%から平成26年度は29.5%に増加しています。
また、目的別に見ますと、やはり扶助費が多くを占める民生費が大きく増加しています。具体的に、決算額は平成17年度の663億円から平成26年度は1,225億円と2倍近くに増加し、構成比も平成17年度の32.5%から平成26年度は41.8%に増加しています。
さらに、民生費の内訳を詳しく見てみますと、社会福祉費、児童福祉費、
生活保護費が増加しており、特に指定都市移行後、社会福祉費が大きく増加しています。
そこで、まず1点目として、指定都市移行後に社会福祉費が増加している理由は何かお尋ねします。
その上で、これまでの民生費の推移、さらには我が国の少子高齢化の進展を踏まえると、本市において今後も引き続き民生費は増加していくものと予想され、その場合、本市の財政に与える影響も決して小さくはないと考えられます。
そこで2点目として、今後の民生費の見通しとその増加が本市の財政に与える影響についてどのように認識しているのか、以上2点について一括して財政局長にお尋ねします。
〔
木下修一財政局長 登壇〕
◎木下修一 財政局長 指定都市移行後に社会福祉費が増加している理由についてお答えいたします。
社会福祉費は、国民健康保険会計、介護保険会計及び後期高齢者医療会計への繰出金や
障害者自立支援給付費などを含むものであり、高齢者人口の増に伴う給付費の増などに伴い、全体として年々増加しております。
特に、
政令指定都市移行後は大きく増加しておりますが、主な要因としては
政令指定都市移行に伴い、
障害者自立支援給付費について、県からの権限移譲により、精神保健福祉関連経費が増加したこと、また国民健康保険会計への繰出金について、累積赤字解消に向けて10億円拡大したことなどが挙げられます。
次に、民生費の見通し及び本市の財政に与える影響についてでございますが、民生費は
生活保護費、
障害者自立支援給付費や保険医療会計への繰出金及び保育所への施設型給付費など市民の方の一人一人が生涯を通して健やかで生き生きと暮らせるようにするための経費でございます。
一方で、今後の民生費の見通しとして、本年2月に公表した熊本市財政の中期見通しにおいては、民生費の約7割を占める扶助費について、
生活保護費、
障害者自立支援給付費及び施設型給付費などの伸びにより、平成27年度の862億円から平成31年度は932億円に増加すると見込んでおります。その場合、本市の財政への影響として、財源となる国県支出金などが増加する一方で、市税や
地方交付税などの一般財源の負担も増大することとなり、その財源確保が大きな課題となります。
このため、今後社会保障制度の持続可能性の確保に向けて、対象者の見直しや不正受給対策などの給付の重点化、適正化や、負担能力に応じた公平な負担のあり方の検討などに取り組むとともに、中長期的には自立支援や健康づくりの推進など医療費、介護費の抑制に資する取り組みを進めていくことが必要であると考えております。
また、財政運営の面でもさらなる事業の選択と集中や行財政改革の推進などにより必要な財源を確保していくことで、民生費の増加にも適切に対応してまいりたいと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 今後、社会保障制度の持続可能性の確保に向けて、対象者の見直しや不正受給対策などの給付の重点化、適正化や負担能力に応じた公平な負担のあり方の検討などに取り組むとともに、中長期的には自立支援や健康づくりの推進など、医療費、介護費の抑制に資する取り組みを進めていくことが必要であるとのこと、14日の我が会派の井本議員の一般質問でも、成人用肺炎球菌ワクチンの接種を熊本市の65歳全員が仮に接種したと仮定した場合、1年間で約25億円の医療費削減効果があると推計されるとのことでした。
ほかにもいろいろな取り組みが考えられると思います。元気に長生きができるような、そして結果として医療費や介護費の抑制にもつながるような効果的な政策に力を入れてください。民生費は市民の暮らしを守る上で容易に削減できない経費であり、必要な増加には適切に対応していただかねばなりません。そのための財源確保には全庁一体となってさまざまな知恵を絞って、しっかり取り組んでください。
このたび、歳出決算とあわせて平成17年度から平成26年度までの10年間について、主な財政指標として経常収支比率、財政力指数、実質公債費比率及び将来負担比率の推移を調べました。
経常収支比率は財政構造の弾力性を示すもので、高いほど硬直的とされています。平成17年度の87.6%から平成21年度に92.2%まで上昇し、その後、平成24年度に89.1%まで改善しました。平成26年度は90.6%で、指定都市20市中2番目に良好であり、平成25年度の市町村の全国平均90.2%とほぼ同程度となっています。
財政力指数は財政基盤の強さを示すもので、高いほど財政に余裕があるとされています。平成17年度の0.62から平成20年度に0.72まで改善し、その後平成24年度に0.66まで低下し、平成26年度は0.70に改善していますが、指定都市20市中19番目で、札幌市と並び最下位となっています。
実質公債費比率は実質的な地方債の元利償還金の負担の大きさを示すもので、高いほど負担が大きいとされています。平成17年度の15.9%から平成18年度に16.1%に上昇しましたが、平成19年度以降は低下を続けています。平成26年度は9.9%まで改善しており、指定都市20市中9番目で、早期健全化基準の25%を大きく下回っています。
将来負担比率は地方債残高や退職手当などの将来負担の大きさを示すもので、高いほど負担が大きいとされています。平成19年度の118.0%から平成21年度に140.5%まで上昇しましたが、平成22年度以降は120%台まで低下しています。平成26年度は122.4%となっており、指定都市20市中10番目で、早期健全化基準の400%を大きく下回っています。
以上の状況を踏まえますと、本市の財政は硬直化が進み、財政基盤が弱く、将来への負担も小さくはないと考えられます。
そこで、今後市長が掲げる誰もが憧れる上質な生活都市熊本の実現に向けた取り組みを進めるに当たって、財政指標の現状をどのように認識し、どのような財政運営を行っていく必要があると考えるか、市長にお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 経常収支比率につきましては、平成24年度までは収納率の向上などによる市税の増加や、
政令指定都市移行に伴う新たな税交付金などにより一時的に改善してきたものの、基本的には扶助費の増加など、経常経費に充当する一般財源が増加傾向にありますことから、上昇傾向にございます。
このため、今後さらなる経常経費の抑制に取り組むとともに、市税などの自主財源の確保に取り組むことが必要でございます。
また、財政力指数につきましては、平成20年度をピークに扶助費の増加などにより低下いたしまして、近年、市税収入の伸びなどに伴う
基準財政収入額の増加などにより改善傾向にはありますものの、依然として
政令指定都市の中では最下位でございます。このため、今後市税などの自主財源の確保を中心にさらなる財政基盤の強化に取り組むことが必要であると考えております。
また、健全化判断比率である実質公債費比率及び将来負担比率でございますが、それぞれピークの時期から過去の市債発行の抑制による
臨時財政対策債を除く通常債の残高や公債費の減少、さらに、
政令指定都市移行に伴い、分母となる標準財政規模が増大したことなどもあって、改善してきております。
一方で、今後新たな投資事業の実施に伴う市債発行及び公債費の増加などの影響も見込まれることから、早期健全化基準を大きく下回ってはいるものの、負担自体は決して小さくはないと認識しております。このため、毎年度の予算編成などにおいて、事業の選択と集中や年度間調整などを行うことで、投資水準全体の調整を図っていくことが必要だと思っております。
今後とも、一層の財政の硬直化及び後年度への過度な負担を招かないよう、財政の中期見通しの継続的なローリングによって、財政指標の推移なども見きわめながら、健全な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 現在、本市は新たな総合計画や地方創生に向けた総合戦略などの策定が進められていますが、民生費などの増加に適切に対応しながら、一方でこれらの計画に基づく取り組みも着実に進めていかなければなりません。
そのためには、財政基盤の強化を図り、政策の自由度や主体性を高めることが不可欠であり、今後計画的かつ慎重な財政運営を行ってもらうことをお願いしておきます。
次に、議第251号「平成26年度熊本市
交通事業会計資本金の額の減少及び
資本剰余金の処分並びに決算の認定について」質疑いたします。
平成26年度末で、自動車運送事業、市営バス事業が廃止され、市営バスに関する決算の審議も最後になります。
御案内のとおり、この市営バスは昭和2年11月23日に、運賃1区4銭、3路線17両のバスの営業を開始しました。以来、路線や車両等を拡充しながら事業拡大を続け、昭和40年代半ばに最盛期を迎えています。当時は、最大で在庫車両数231両、路線数34路線、乗車人数は年間約3,900万人に上りました。しかし、モータリゼーション、自動車化の急速な進展などにより乗車人数の減少に歯どめがかからず、原油価格の高騰を初めとする諸経費の負担増と相まって、交通局の経営状況は悪化の一途をたどり、平成21年度末の累積欠損金は45億5,900万円余に至っていました。
このような中、2007年に北海道夕張市が財政破綻し、財政再生団体となりました。この衝撃は大きく、国では夕張市に続く財政破綻都市が発生しないよう、新たに財政健全化に関する法律がつくられ、企業会計については早期健全化基準、いわゆるイエローカードとして資金不足比率20%を示し、これを超えた場合は早期健全化団体として、経営健全化計画の策定を義務づけました。
当時、平成20年度の熊本市交通局の資金不足比率は198.2%と、早期健全化基準の20%を大きく超えており、交通局では計画期間を平成21年度から平成27年度とする交通事業経営健全化計画を作成し、資金不足の解消を目指すこととなりました。
こうした経緯の中で今回の平成26年度決算を見ると、交通事業会計の累積欠損金が6億7,300万円余、資金不足比率で見ると58.3%となっています。この58.3%は、計画における比率89.4%よりも31.1%低い結果となっており、大幅な改善となっています。軌道事業を含めたさまざまな経営健全化の取り組みが大きな効果を生み出したものと思いますし、その一番の効果は市営バスの民間移譲ではなかったかと考えております。
そこで、交通事業管理者に2点お尋ねいたします。
1点目、本年3月で全ての市営バスが民間移譲されたわけですが、民間移譲による効果額は、計画期間中の累計幾らなのかお示しください。
2点目、交通事業経営健全化計画に基づいて累積欠損額を削減してきたわけですが、仮に市営バスを民間移譲せずに、そのままバス事業を続けていた場合、平成21年度末での資金不足比率202.1%はさらに悪化していたことが推測されますが、平成26年度の決算時点でどの程度の資金不足比率になっていたと推測されるのかお示しください。
〔西本賢正交通事業管理者 登壇〕
◎西本賢正 交通事業管理者 平成26年度決算に関連した2点の御質問にお答え申し上げます。
まず、1点目の市営バス民間移譲による効果額についてでございますが、市営バスにつきましては、平成21年度に策定した交通事業経営健全化計画において、平成28年4月までに民間事業者に全面移譲することとしたものでございますが、計画の中間年に当たる平成24年度にその達成状況と効果などについて総点検し、市議会の議決を経て、平成27年4月までに全面移譲することに見直したものでございます。
お尋ねのバス事業の移譲の効果額といたしましては、計画策定前の運行体制で経営を続けたと仮定した場合と比較しますと、職員数の削減や運行経費の減少などによるものが11億2,000万円、バス営業所などの土地、施設、車両の売却など資産の有効活用によるものが33億7,000万円の合わせて44億9,000万円に及ぶものと考えております。
次に、民間移譲しなかった場合の決算についてでございますが、仮に市営バスを民間移譲しなかった場合、資金不足比率の計算のルール上、軌道事業を含めた交通局全体の推計になりますが、平成26年度末の資金不足比率は300%を大きく超えていたであろうと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 仮に、市営バスを民間移譲しなかった場合、軌道事業を含めた交通局全体の推計で平成26年度末の資金不足比率は300%を大きく超えたと考えているとのことでした。それが平成26年度末の決算において、資金不足比率は58.3%まで改善され、最終年度である27年度では健全化指数である20%を大きく下回ることができるようです。その努力を評価したいと思います。
また、バス事業の移譲による累計効果額は11億2,000万円、その他
資産活用により33億7,000万円、合計で44億9,000万円が見込まれるとの答弁でした。
ここで示されたバス事業の移譲による削減効果額11億2,000万円は、移譲に伴う人件費や燃料代の削減額から、バスが都市バスに移ることによる運賃収入の減少や、一般会計からの補助金の減少分を差し引いた効果額と伺っています。
一方で、バス事業を民間事業者に移譲したことにより、熊本市として都市バスへの新たな補助が生まれることとなります。
そこで、都市建設局長にお尋ねいたします。
1点目、この都市バスへの補助の考え方をお示しください。
2点目、現在補助額は幾らなのか。
3点目、これまでの補助額の総額は幾らになっているのか。
4点目、今後都市バスへの補助はどのようになるのか。
以上4点について、都市建設局長にお尋ねいたします。
〔永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博 都市建設局長 熊本都市バス株式会社への補助に係る4点のお尋ねにお答えいたします。
都市バスへの路線移譲に際しましては、これまで市営バスが市民生活の足として果たしてきた役割を鑑みまして、移譲後3年につきましては、路線を維持する協定を熊本市、交通局、都市バスの3者で締結しており、移譲後3年を経過した路線を含めた路線全体を運行する都市バスの経常損益に対しまして、移譲開始年度から本市として補助を行っているものでございます。
補助額といたしましては、平成27年度予算額で2億5,000万円を計上しておりまして、これまでの補助総額といたしましては、移譲開始年度の平成21年度に1億6,800万円の補助を行って以降、平成26年度決算額までの合計で13億6,100万円余となっております。
今後の都市バスへの補助につきましては、現在都市バスを含む民間バス事業者とともに進めております市街地競合路線の解消などバス路線網再編の取り組みの中で、本市公共交通協議会における議論等も踏まえながら、都市バス路線についても効率化を図っていく必要があると考えており、この取り組みと並行しながら都市バス補助のあり方についても検討してまいりたいと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 移譲開始年度の平成21年度に1億6,800万円の補助を行って以降、平成26年度決算額までの合計で13億6,100万円余とのことでした。
さて、ここまで熊本市交通局が進めてきた経営健全化計画の効果を検証してきました。熊本市営バスを都市バスに移譲することによる熊本市交通事業における効果、さらには交通局の資産を活用しての効果、そしてバスを都市バスに移譲したことによる新たな補助が発生したことを見てきました。
手元に資料を配付させていただきました。交通政策総室に作成していただいた資料に赤枠を囲んでいます。A、交通事業一般会計補助金のうちの2、バス事業をごらんください。
平成20年度決算で約10億7,000万円あったバス事業への補助が、平成21年度の本山営業所管轄7路線を熊本都市バスに移譲以降、23年に上熊本営業所の移譲などを経て、本年4月1日の小峯京塚線の移譲で、熊本市交通事業のバス事業が廃止となります。
これらバス事業の移譲とあわせて、一般会計補助額が平成26年度決算額で3億7,000万円余と減少していきます。
一方、B、都市バス補助金の欄をごらんください。平成21年度からバスの移譲にあわせ、都市バスへ21年度で約1億7,000万円、26年度で約2億9,000万円とふえていきます。
これらの合計が、C、交通局バス事業補助と都市バス補助の合計の推移です。この推移は右下の棒グラフに表としてあります。このグラフが示すように、都市バスへの路線の移譲によって、確実に熊本市からの一般会計からの補助金総額が減少してきています。
これら平成21年度から平成26年度までの補助金の減少額の累計を平成20年度の交通局への補助金額10億7,275万円を基準に試算すると、この6年間で6億8,976万円余の縮減ができたと言えます。右下のグラフの赤枠で囲んだ三角形の積に当たります。
ここまでの質疑を通しての評価ですが、交通局のバス事業の都市バスへの移譲を決断されたことと経営改善に努められたことに敬意を表します。また、あのまま放置していれば、大変なことになったというのが実感です。
一方、交通局は軌道事業だけとなり、市民の足を守るためのバス網の再編などはこれからとなります。
交通局にはさらに経営改善に努められることを望むとともに、都市建設局にはさらなる基幹交通としての基幹バスの推進などを求めておきます。
最後に、交通事業管理者にお尋ねします。バス事業は今年春に全ての移譲が完了し、現在は軌道事業だけとなりました。市電の延伸や基幹交通としてのサービス向上策が求められる中、経営基盤の改善が大変重要となってきます。
今後、具体的にどのように改善を進めていくのかお聞かせください。
〔西本賢正交通事業管理者 登壇〕
◎西本賢正 交通事業管理者 軌道事業についての御質問にお答えいたします。
運賃収入等をもって経営を行うことを基本とする公営企業である交通局にとりまして、営業収支の改善を図ることは極めて肝要と認識いたしております。
したがいまして、軌道事業をより安定的に経営するため、経営改善策の一つとして今回の運賃改定は避けられないと判断し、条例改正案を上程させていただいたところでございます。
これまでも、定員管理の適正化、給与水準の見直し、給与カットなど費用の削減に取り組むとともに、全国相互利用型ICカードでんでんnimocaの導入、全線フリー定期の導入、そして市電専用一日乗車券の発行など、利便性向上策による乗客数の増加に向けた施策を実施してまいりました。
今後も、お客様が電停で乗車できない、いわゆる積み残しの解消に向けた取り組みや、電停改良、軌道の整備など、サービスの向上や安全対策への取り組みを充実させ、市電の利用促進を図り、経営基盤の強化につなげてまいりたいと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 大西市長は、市電延伸については必ず実現させるという強い気持ちで今後とも取り組んでまいりますと決意されていますので、大西市長の思いが早く実現できるためにも、経営基盤の強化に今まで以上の努力をお願いし、私の質疑を終わります。答弁ありがとうございました。(拍手)
○三島良之 委員長 藤永弘委員の質疑は終わりました。
以上で
公明党熊本市議団の質疑は終わりました。
次に、くまもと未来、藤山英美委員の質疑を行います。持ち時間は30分となっております。
〔藤山英美委員 登壇 拍手〕
◆藤山英美 委員 くまもと未来の藤山英美でございます。
今回の質疑に当たり、項目を整理しましたけれども、時間に制限がございますので、2点について質疑させていただきます。
この2点については、委員の皆様も意見を持っておられるものだと思っておりますけれども、まず債務負担に基づく契約について質疑いたします。
債務負担行為については、予算の内容として議会の審議を経て議決されており、債務負担行為の設定がなされると、設定された範囲内において歳入歳出予算外の債務負担行為契約が行われます。
後年度においては、予算計上が義務費となることは承知しております。とはいうものの、長期にわたる契約において、社会、経済環境の変化に係るリスクも存在するものと考えております。一旦設定してしまうと3年とか5年とか、長いものには20年のケースもあります。そのフリーパスのようになってしまうことから、課題があるのではないかと考えております。
このような中、債務負担行為残額が平成22年度末で345億円であったものが、平成26年度末に637億円と倍増しているんですが、その主な要因は、また現状をどのように認識しておられるのか、財政局長に答弁をお願いいたします。
〔
木下修一財政局長 登壇〕
◎木下修一 財政局長 債務負担行為額が平成22年度から大幅に増加した主な要因といたしましては、平成23年度の西部環境工場代替施設整備運営事業や、平成25年度の現代美術館、社会体育施設に係る指定管理料、平成26年度の総合行政情報システム最適化に係る業務委託料や、熊本西環状線整備に伴う砂原四方寄トンネル整備経費などでございます。
近年は、大型投資事業の実施や指定管理者制度の導入などに伴い、債務負担行為額は各年度において大きく変動しております。債務負担行為は、単年度予算主義を補完するためのものとして、複数年にわたり契約を可能にする意義があり、例えば指定管理料など施設管理経費は経常的経費として計上しているものを複数年契約するために設定するものでありますことから、必ずしも新たな負担を生じさせるものだけではないと認識しております。
いずれにしても、今後債務負担行為の設定に当たりましては、期間や金額について十分な精査を行い、将来に過度の負担を残さない財政運営に努めてまいります。
〔藤山英美委員 登壇〕
◆藤山英美 委員 先ほど申しましたけれども、準義務的経費になっているのではないかと思います。これはもう、このほかにも負担金補助金もそういう性質のものではないかなという思いが強くいたします。この債務負担行為についても、いろいろと行政当局ではかなり吟味されていると思いますけれども、今後はこのような形がますますふえていくのではないかという思いがいたしますものですから、このような質疑をいたしました。
それでは、取り組みについてお尋ねいたします。
指定管理者制度を導入した施設では3年から5年と、先ほども言いましたが、指定期間に合わせて債務負担行為の上限額を設定してあります。指定管理者の選定においては、債務負担行為の限度額の範囲内で協定が締結され、基本的に指定期間中に協定額が変更されることはまずありません。そのため、3年から5年の指定期間中は、先ほど言ったようにフリーパスのような状態が生じるわけでございます。
また、指定管理者の経営努力によって収益増が見込まれる施設については、それをサービスの充実に充てられるような仕組みが必要ではないかと思うわけでございます。
市ではどのような対応を行っておられるのか総務局長にお尋ねします。
〔多野春光総務局長 登壇〕
◎多野春光 総務局長 指定管理者制度についてお答え申し上げます。
本市の指定管理者制度では、指定期間を3年から5年の複数年とすることで、安定的、継続的な管理運営を図ることとし、指定期間に必要な債務負担行為を設定しているところでございます。
指定期間中の管理運営に当たりましては、施設利用者へのアンケートの実施や施設管理者による実地調査などのモニタリングを行いまして、また必要に応じて改善指導を行うなどサービスの質の維持向上に努めているところでございます。
また、一定の収入が見込める施設につきましては、その使用料に相応する料金を指定管理者の収入とする利用料金制度を導入することで、指定管理者のインセンティブを高め、サービスの質や量が向上することで施設の利用増加を図っているところでございます。
その際、本市の公の施設の指定管理者制度に関する指針では、利用料金による利益が余りにも過大、具体的には提案された金額のおおむね2倍を超える場合には、利益の一部をサービスの充実に還元する仕組みといたしております。
さらに、利用料金で施設の管理運営費が賄える施設、例えば一昨年公募を行いました城南地域物産館などにつきましては、管理運営費を超える利益については、その一定額を施設で提供されるサービスの向上に利用する、あるいは市に還元させるなどの提案もできる仕組みへと平成25年度に指針を見直したところでございます。
今後もこのような仕組みをさらに充実させ、サービスの維持向上につなげるとともに、適正な管理運営に努めてまいります。
〔藤山英美委員 登壇〕
◆藤山英美 委員 行政当局の御努力はわかりました。いろいろな形で市民にサービスを提供していただき、また職員の事務軽減にもつながるようなことになれば幸いかと思います。
また、指定管理者制度の中でいろいろな意見、雑音も聞くこともございますので、そういうことにも耳を傾けていただければと思います。
それでは、決算関係資料について質疑をいたします。
決算審査に当たり提出される決算資料について、それぞれを調べますと記載してある内容が余りに簡潔過ぎたり、逆に必要以上に詳細であることから、本当にこのような資料が必要なのかと感じることがあります。
決算に関する資料はどのような基準で作成されているか、会計管理者にお尋ねいたします。
〔齊藤保夫会計管理者 登壇〕
◎齊藤保夫 会計管理者 決算関係資料の作成基準についてお答えいたします。
決算に関する資料につきましては、法令等で様式が定められている歳入歳出決算書及び決算附属書と言われる歳入歳出決算事項別明細書、実質収支に関する調書、財産に関する調書の3つを作成しており、また、決算状況の説明資料として本市独自で決算関係資料、決算状況報告書等を作成しております。私の方からは、会計総室で取りまとめております歳入歳出決算書、決算附属書及び決算関係資料のうち、収入減額調書、収入未済額調書、不用額調書について御説明いたします。
まず、歳入歳出決算書及び決算附属書については、地方自治法施行令第166条第3項及び熊本市予算決算規則に基づき作成いたしております。
次に、決算関係資料の収入減額調書については、予算現額から収入済額を差し引いた額を収入減額として、節の金額が200万円以上のものを抽出しております。
収入未済額調書については、調定額から収入済額を差し引いた額を収入未済額といい、節の金額が200万円以上のものを抽出しております。
不用額調書については、予算現額から支出済額を差し引いた額を不用額といい、節の金額が200万円以上のもので、執行率も勘案して抽出しております。
なお、収入未済額調書においては、昨年の
予算決算委員会での委員からの御要望を踏まえ、平成26年度決算から新たに収入未済額の内訳として、現年度と過年度の額を記載しているところでございます。
以上でございます。
〔藤山英美委員 登壇〕
◆藤山英美 委員 今の質疑に対して財政局長の答弁を求めます。
〔
木下修一財政局長 登壇〕
◎木下修一 財政局長 決算関係資料のうち、財政局では市税に係る収入未済額調書、高額滞納者調書、不納欠損処分調書、高額不納欠損処分調書と決算における超過負担調書、負担金及び補助金調書、都市計画税、事業所税、入湯税及び
地方消費税交付金の使途状況について取りまとめております。
このうち収入未済額調書や不納欠損処分調書につきましては、未収となっている市税に係る滞納や、不納欠損処分の状況や、負担金及び補助金調書では補助金の交付先や金額、事業概要などについて詳細にお示ししております。
また、都市計画税、事業所税、入湯税及び
地方消費税交付金の使途状況につきましては、平成26年4月から実施されました消費税、地方消費税率の引き上げによる増収分は社会保障施策に要する経費に充てるとされておりますことから、使途の明確化を図る観点から目的税の使途状況も含め作成しております。
また、第6次総合計画実施計画において個々に明示された事業の目的、実績、成果指標及び達成状況などを記載した決算状況報告書も提出しており、これまで
予算決算委員会等での御指摘を踏まえ、書式を変更するなど、改善してまいったところでございます。
〔藤山英美委員 登壇〕
◆藤山英美 委員 ありがとうございました。
私は昭和53年に会計室に勤務いたしまして、その前年の52年の決算は手処理でございまして、そろばんをはじいて頭が痛かったことを覚えております。そして、53年度から財務会計電算化が実現いたしました。非常に事務量が激減して、決算事務も簡単に短期間で正確にできるようになったことを覚えております。
そして、そのときは職員として決算書作成に当たりましたけれども、義務感ということで一生懸命やっただけで、内容については余りわからずに作成したように思っております。そして、もうそれは40年近く前になるんですが、それからほとんどこれが変わっていないのではないかなという思いでございます。
今、答弁にありましたように、決算書、決算附属書については法的なものですので変わることはないと思いますが、その他のものについては説明資料でございますので、時代に応じていろいろ改善されるのが当たり前ではないかなという思いがしますけれども、一回そのように決まったことについてはなかなか変わらないのが常であると私は思っております。
そして、平成16年にはこの決算状況報告書、これが幸山前市長によってかなり大幅に変わったという思いがします。そして、この決算関係資料につきましては、大体ずっと同じような内容で来ているのではないかと思います。
委員の皆様も、この決算資料を見られて、どのように思われたかお聞きはしておりませんけれども、私がそれなりに感じるのは、時代に応じた改善が必要ではないかという思いがします。この中を見てもなかなかわかりにくいのがありますし、ここまでしないでもいいのではないかというものも出てきておりますし、時代に応じて変えていく必要のあるものもあるのではないかという思いがいたします。
この中でも、9番の負担金及び補助金調書につきましては、この決算関係資料の中で70%以上を占めるような枚数であります。これは委託料調書のような形で別冊にした方がいいのではないかなという個人の思いはありますけれども、そうして中身を充実したような形で、数字についてはそのような形が私個人としてはありがたいなという思いでございます。
そして、この決算状況報告書にしても、後でちょっと質疑いたしますけれども、未達成というのがかなり多うございます。その目標というのもなかなかわかりづらいところもありますし、その中でもちょっと趣向を変えれば、もっと注目されるような書類になるのではないかと思います。
では、また後で質問の中に入れるようにしたいと思います。
そして、監査委員の意見書の中にもちょっと触れられておりましたけれども、人件費、扶助費、公債費等、これは義務的経費で容易に縮減はできないという形で書いてございましたけれども、私は平成17年第4回定例会で市営住宅の新規の建設の中止を訴えて、それまで7回質問しておりましたが、その年に新規の建設を決定されました。そして、その後の住宅建設の債務残高、これが平成15年は約500億円ありましたけれども今年度は220億円ということで、11年間で276億円減少しておりますし、今年度の見込みでも197億円に減少する見込みということで、今年度の見込みを入れると12年間でおよそ300億円減少したことになると思います。
このように、償還金はその内容の吟味によって減らすことは可能だということを身をもって感じました。そういうことで努力すれば、ほかにいろいろな財源を分配できるということで、有効な執行がまだまだできるものがいっぱいあるのではないかなという思いがしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、2番に入ります。収入未済調書について会計管理者に質疑いたします。特に決算関係資料の収入未済額については、2番の市税を除いた収入未済額調書と4番の市税のみの収入未済額調書があります。それぞれ見比べなければならず大変わかりづらいというところがございます。また、同じ一般会計であるのだから、市税を含めた収入未済額調書を作成していただきたいと思うわけでございます。
先ほども会計管理者の報告の中で、昨年の収入未済額の質疑に対しまして、御努力いただきまして、現年度、過年度ということで分けていただきましたけれども、それ以上に見やすい決算資料をという思いで再度質疑させていただきます。よろしくお願いします。
〔齊藤保夫会計管理者 登壇〕
◎齊藤保夫 会計管理者 市税を含めた収入未済額調書を作成できないかという御質問にお答えいたします。
現在、収入未済額を市税分と市税を除いた分で調書を作成いたしておりますが、市税の特殊性に基づき、分析しやすいようにとの配慮によるものと思われます。しかしながら、委員御指摘のように、全体を把握する際にわかりづらいといったこともございますので、市税も含めた収入未済額調書が作成できるか、今後検討してまいりたいと思います。
〔藤山英美委員 登壇〕
◆藤山英美 委員 ありがとうございました。昨年の質疑でも、できることはやっていただくということで、ありがたいと思っておりますし、これは専門家だけが見る決算資料ではありませんので、市民の方たちもある程度理解ができるような御努力をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
次に、昨年度の
予算決算委員会においても、決算資料のことについて指摘して改善していただきました。
我々が決算審査で特に着目するのは、決算状況報告書の中の成果指標に対する達成状況で、未達成とされた箇所であり、その原因を明らかにし、検討結果を次年度に実践することが重要であると。このようなことから、例えば、未達成という文字を赤字に変えるだけでチェックポイントが容易に把握でき、決算審査が効率的に進むことができるのではないかと思うわけでございます。
また、決算資料は議会だけではなく図書館等で誰でも見ることができることから、ことしの説明にもありましたような、カラー刷りのとは言いませんけれども、グラフ等を多用して市民にもわかりやすいような解説を加えるといかがかなという思いがありました。人間は、情報は目から入ると言われておりますので、その色を変えるだけでもかなりの効果はあるのではないかと思います。今も言いましたように、グラフ等を多用し、カラーになればなおさらいいと思いますけれども、それは必要な部分だけでいいかなという思いはします。専門用語についても、わかりやすい解説を加えるなど、市民の視点に立った資料とすることが大切ではないかと思います。
また、ことし初当選された方々についても、行政用語等はなかなか難しいものではないかなという思いがします。
市民協働を支えるのはまさに市政情報の積極的な公開にあると確信しております。決算資料にあっても、市政の状況を知ってもらうための絶好の機会と捉え、積極的に市民にとってもわかりやすくすべきではないかと思いますが、市長のお考えをお答えください。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 決算につきましては、複雑な地方財政の仕組みを議会はもとより市民の皆様にもよりわかりやすく伝えることが大変重要であると認識しておりまして、平成15年度より公表しております「財政ってなあに?」におきましては、グラフや図表などを用いるとともに、表現につきましても工夫して作成することを心がけているところでございます。
決算審査に当たりましても、先般の
決算概況説明において、法令に基づき作成している決算書などのほかに、今年度から新たに本市の決算概要や
政令指定都市との比較などについてグラフを使った資料を作成し、わかりやすく御説明したところでございます。
今後も、市民の視点に立ったよりわかりやすい決算関係資料となるよう、御意見を踏まえながら取り組んでまいりたいと考えております。
〔藤山英美委員 登壇〕
◆藤山英美 委員 ありがとうございました。
先ほどもちょっと市長と立ち話をしましたときに、県の決算はまだ簡単ということを聞きました。市の決算状況の方が詳しいということでお聞きしましたけれども、内容についてはいろいろと改善を加えていただければありがたいと思いますし、今答弁の中にも、このような概況の説明の中に使われたこのカラー刷りのグラフ、こういうもので説明されると物すごく理解しやすいという思いはしております。「財政ってなあに?」もそのように工夫されております。また、決算の概要についても同じようにカラーでグラフを多用して説明をされております。
だから、行政としては、そういうことで十分御存じのはずでございますけれども、それを必要なところだけでも結構でございますので生かしていただければ、市民ももっともっと市政に興味を持って、決算に関心を持ってくるのではないかと思います。
予算については、どなたでも大変注目しておりますけれども、決算については、もう済んだことということが往々にしてありはしないかと思いまして、今までも私は、努力して不用額を出した場合についてはそれを評価する、そして三重県の元知事でございました北川先生が、その削減したものを次年度に反映するということをされておりました。私もそういうことを質問したときに調べたら、もう北川先生が先に三重県で実施されておりました。そういう工夫をすれば、もっともっと職員の意識も高まるのではないかなという思いがします。
私も職員時代、不用額が出ると、財政では次年度はもうばっさりやられたという経験があります。それで、年度末には使ってしまえということで、要らないものまで買っておりました。昔はそういうことがあったと思います。幹部の皆さんも一部の方は御存じかもしれませんけれども、そういうことでいろいろ世間からの指摘もありまして、現在は改善されております。
しかし、それを努力して残す、それを次年度にやりたい仕事に予算を配慮してもらうということがあれば、もっともっと職員のやる気が出てくるのではないかなという思いがしております。
これは市長がトップでございますので、その影響力は物すごいものだということは私もわかります。リーダーシップを発揮していただいて、今後の市政に邁進していただければ幸いだと思います。
ありがとうございました。(拍手)
○三島良之 委員長 藤山英美委員の質疑は終わりました。
以上でくまもと未来の質疑は終わりました。
質疑の途中ではありますが、この際、議事の都合により休憩いたします。午後1時に再開します。なお、時間厳守にてよろしくお願いいたします。
午前11時43分 休憩
───────────
午後 0時59分 再開
○三島良之 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質疑を続行いたします。
日本共産党熊本市議団の質疑を行います。持ち時間は25分となっております。
まず、上野美恵子委員の質疑を行います。
〔上野美恵子委員 登壇 拍手〕
◆上野美恵子 委員 日本共産党熊本市議団の上野美恵子でございます。
決算状況報告書の209ページ、中心市街地活性化事業の桜町再開発についてお尋ねいたします。
昨年度、桜町再開発には、基本設計並びに資金計画、測量事業に対し2億95万円の事業費助成が行われています。
まず、助成対象事業の資金計画について伺います。
第1に、桜町再開発事業の資金計画では、補償費として65億1,500万円が計画されています。補償金を受け取る対象となる権利者数を、土地所有者、借地権者、借家権者、それぞれにお示しください。また、補償費の積算根拠はどのようになっていますか。事業認可申請時と事業認可の時点では区域内の権利者数が変わっていますが、権利者でなくなった方々への補償金は支払われるのでしょうか。
第2に、ことし1月29日付で国土交通省に対し、桜町再開発事業に係る補助金として、社会資本整備交付金の補助申請が行われています。補助交付対象事業費159億6,000万円に対し、国市の補助金が126億円支出されます。うち、2015年度分の国費要望額は4億7,300万円です。これに対する国の補助内示額は幾らになっているでしょうか。
第3に、本市が負担する予定の保留床処分金約308億円は、資金計画においてどの年度に払うようになっていますか。
以上、関係局長にお尋ねいたします。
〔永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博 都市建設局長 桜町再開発事業に関して、私の方から大きく2点の御質問にお答えいたします。
まず、補償費の関係でございます。
再開発事業において、補償を受け取る対象となる権利者は施行地区内の宅地もしくは建築物等に関する権利を有するもので、権利変換期日において当該権利を失い、かつ当該権利に対応して施設建築敷地、施設建築物の一部または借家権等を与えられないものと規定されております。
これに基づく権利者数でありますが、権利変換期日における建物所有者1者、借地権者1者、借家権者7者、合計9者でありまして、補償費についてもこの人数を積算根拠として算定しております。
なお、補償金の支払いについてでございますが、再開発事業において補償されるものは、補償を受けるべき根拠となる権利が権利変換期日においても存在するものであり、権利者でなくなったものには支払われません。
次に、桜町再開発事業の補助金についてでございますが、4億7,300万円の要望をしておりますが、国からは3億7,840万円の内示を受けているところでございます。
〔西島徹郎観光文化交流局長 登壇〕
◎西島徹郎 観光文化交流局長 私の方から保留床処分金の支払いについてお答えさせていただきます。
(仮称)熊本城ホール保留床の取得につきましては、現在再開発業者と協議を行っている最中でございまして、現時点ではお答えできる段階ではございません。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 都市建設局長の補助金の国の内示が、要望額の約8割の3億7,840万円だということです。再開発会社へ払う今年度の補助金は幾らになるのでしょうか。お尋ねいたします。
〔永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博 都市建設局長 今年度桜町再開発会社へ支払う補助金の件でございますけれども、先ほどお話ししましたように、国の内示額と市は同額を補助することにしておりますので、7億5,680万円を補助することになります。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 補助金は、国市同額の3億7,840万円を再開発事業に補助するということになるということですので、再開発の資金計画では、補助金収入が約2億円のマイナスとなります。
先日、私は国土交通省の再開発担当の部署の方とお話をしましたが、国も財政が厳しいので査定で要求額の8割になったと言われました。もし今後も今回と同程度の補助金減額になれば、補助金全体では25億円以上も少なくなることも考えられます。
資金計画上は、経費を節約するか保留床処分金をふやすのか、何らかの対応が計画上迫られてまいります。補助金が減ることによる資金計画への影響と、市が負担する保留床処分金への影響について、今の時点でどのようにお考えでしょうか。都市建設局長にお尋ねいたします。
〔永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博 都市建設局長 資金計画上、委員がおっしゃったように補助金予定分の2分の1を国費で充てることが予定されております。その国費の内示が減額した分、こういったことは、想定が全くできないわけではございませんでしたので、資金計画上は事業者の方で予備費を計上されておりまして、その予備費で対応されるということになると思います。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 一定の資金計画には、予備費もあることは私も承知しておりますけれども、このように補助金等が変化してまいりますと、保留床の処分金がふえたというか、予備費で対応し切れない範囲になるとそれがふえたり、そうなると保留床の負担割合が熊本市は多いですので、その分がはね返ってくるということも考えられる点もございますし、あるいはその分民間の保留床に影響が出てくる面もあるかと思われます。事業認可が一応されたとはいいましても、今後事業が進んでいく中では、さまざまな要因から資金計画についても若干の変更、計画どおりにはなかなかいかなかったということも考えられてくるかと思います。
しかし、それが今でも熊本市の財政的な負担は、補助金と保留床の取得金合わせて450億円程度と計画されておりますので、この金額は半端な金額ではありません。これ以上の市の負担はふやさないという立場を、私は市として堅持すべきではないかと考えておりますが、市長の見解をお伺いいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今上野委員が御指摘のとおり、資金計画というのは当然いろいろなファクターによって変動する可能性がございます。
ただ、この再開発事業につきましては、当市においても非常に財政的にも大きな負担をするものでもございますので、当然国の補助金が、適切に補助を受けられるように、国にも私もこれからしっかりお願いしてまいりたいと思いますし、そういった影響が出ないように努めてまいりたいと考えております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 ちょっと答えが違っていたかと思いますけれども、私はいろいろな変動要因があったときに、熊本市の負担がこれ以上ふえることのない、そういう立場が必要ではないかとお尋ねしたんですが、いかがでしょうか。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今、上野委員のお尋ねで、熊本市のいろいろな負担がふえないようにする、これは当然のことでありますので、そのようにしっかり取り組んで、今再開発会社でも、ECI方式によるいろいろな建設コスト削減、その他にも努めておられるということでございますので、またその審査にもきちんと市の当局も入って、できるだけコストダウンができるように、そして市の負担額が増加しないようにしっかり努力していくということでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 そのように、ぜひよろしくお願いいたします。
それではもう一つ、資金計画のさきの続きで、資金調達計画がございますが、保留床処分金は、再開発ビルの建設が始まる年度から収入として入る計画が立てられています。熊本市の保留床代金の支払いについては、先ほどの答弁で今後の契約に向けて協議を行っているとお答えでしたが、普通物品購入は、一般的に成果物を受け取ってから代金を支払います。品物を受け取る前から代金前払いという相手の都合での支払いには、市民の方々も納得ができないのではないかと思います。
また、借入金は熊本市が窓口となって、無利子の都市開発資金を3カ年で60億円貸しつけることによりまして、再開発会社が独自に民間金融機関から借入する資金は、本来必要な額の半分の65億円程度となります。しかも民間事業でありながら、総事業費約670億円のうち6割以上の434億円を熊本市が負担することになります。再開発会社の自己資金は7,000万円です。熊本市は莫大な資金を提供して、九州産交はわずかな資金で自社ビルを建てかえるという、この資金計画に市民の理解が得られるでしょうか。保留床代金の支払いや借入金など、再開発会社の資金調達における本市の至れり尽くせりとも言えるやり方には、市民の皆様も疑問を持たれるのではないかと思われます。
5月に事業が認可されて、7月には権利変換計画も認可されました。しかし、民間事業ということで、事業の詳細についてはほとんど市民に知らされていません。多額の事業費を熊本市が税金で負担するだけに、市民への説明責任や住民合意なしに進めるべきではないと考えます。事業の進捗、資金計画も含めた事業の詳細について市民への説明を行い、合意形成を今の時点で図るべきではないでしょうか。市長に見解をお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 確かにたくさんの公的な資金が投入されて、そして事業が進められていくという性質のものでございますので、市民の方々にできるだけ理解していただけるように、わかりやすい説明に努めてまいりたいと思いますし、再開発会社にもそのように申し上げていきたいと思っております。また、再開発会社との再開発会議というのも公開で行っておりますので、これまで適宜いろいろな審議事項その他についてはきちんと御説明して、ホームページでも公表しているところでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 そのようにやっていただき、説明するとともに市民の方が意見を述べられるような場があったらいいなと思いますので、その点を要望しておきます。
それでは続いて、昨年度はこの桜町では商業計画・商業運営管理方針等策定業務の委託業者が決定されました。桜町再開発の商業施設については、入る企業がどの程度決まっているのでしょうか。都市建設局長にお伺いいたします。
〔永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博 都市建設局長 桜町再開発事業の中で、そこに入る商業施設の企業についてというお尋ねでございます。
事業者である熊本桜町再開発株式会社に確認いたしましたところ、商業施設の床面積やテナントの参画意向が確定することが必要なため、今後これらが明確になった段階で示される予定と伺っているところでございます。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 テナントの参画意向だけでなく、床面積についてもと言われましたけれども、商業施設の床面積は事業認可の時点で決まっているはずですが、事業計画で示されてきた3万5,680平方メートルから変更があるかどうか、都市建設局長に伺います。
〔永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博 都市建設局長 これから、先ほど市長のお話がありましたように、施工者はもう決定されてまいります。そういった段階で、全体の事業費を見ながら、事業規模というのは変わっていく可能性はございますが、現在のところ事業認可時点から床面積がこう変わったということで事業者からお伺いはしていないところです。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 再開発ビルで一番大きな面積を占めることになる商業施設部分の床がどのように埋まっていくのかは、再開発事業が着実に進んでいくことの鍵となります。そして、また市が繰り返し説明してこられた中心市街地のにぎわいの中心になれるのか、中心商店街との回遊性が図られていくのか、その鍵ともなるわけです。
昨年秋に、この商業計画・商業運営管理方針等策定業務の委託業者が決定して1年近くがたちます。熊本市が多額の事業費を費やして参画する再開発事業が確実に進んでいくのか、それを判断するためにも、商業スペースがどのようになっているのか、市としても把握し、市民に対しても責任ある説明を行うべきではないでしょうか。市長の考えをお伺いします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 再開発会社の方で、現在この商業スペースにどのようなテナントが入られるのかも含めて、さまざまな検討、あるいはその相手方との交渉がなされているんだろうと思いますが、詳細は当然のことながら民民のいろいろな交渉の過程であるので、具体的に例えばどういうテナントが入るのかということについては、まだこちらの方に状況報告は具体的にはあっておりません。
ただ、年内をめどにある程度こういう形のテナントが入って、にぎわいが増すようになるのではないかといったことの説明は、当然のことながら我々の方にも再開発会社との検討会議の中で示されるものだと思っておりますので、そういう意味で期待して待っていたいと思っております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 市民の方も大変心配な点かと思いますので、わかったらぜひ明らかにして説明していただきたいと思います。
続いて、契約の面でお尋ねいたしますけれども、昨年度桜町再開発事業では、基本実施設計業務委託ほか、現況測量業務委託、建物調査業務委託、建築工事施工予定者選定など、各種の契約が行われています。再開発会社のホームページを見ますと、業務名と落札者あるいは選定者は公表されていますが、入札結果の詳細については全くわかりません。契約業務には公に準じたやり方で行うとこれまでも説明がありましたので、結果を公表しホームページ上に公開すべきではないかと考えますが、都市建設局長に伺います。
〔永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博 都市建設局長 桜町再開発会社で実施されているさまざまな委託工事関係の入札結果の公表についてでございますが、この入札結果の公表については法律上の定めはございませんものの、これまで入札の透明性を高めるために、事業者に公表をお願いしているところでございます。
そのようなことから、事業者においてもホームページに結果を公表されているところでございます。今後、再開発事業の本格化に伴い、さらに透明性が高まるように働きかけをしてまいりたいと思います。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 答弁はありましたけれども、熊本市のような形で入札状況とかが公開されておりませんので、その内容は適切であるかという判断ができないんですよね。答弁では、入札の結果の公表についてはさらに透明性が高まるように事業者に働きかけをするということでしたので、熊本市のようなやり方を把握していただくように言っていただきたいと思います。
桜町再開発は多額の税金をつぎ込む事業であるだけに、民間施行とはいえ公に準じた公平公正な契約業務がなされることを、議会の場でも私も求めてまいりました。適切な契約業務が行われているのかきちんと検証していくためにも、透明性を図り、契約の詳細を公表するのは当然のことだと思います。
しかし、申しましたように、具体的なことがホームページには載っておりませんで、解体工事以外のものについては、事業名と決まった業者名以外は公表されていません。しかも、載っている内容を見ますと、土地や物件の調査、評価にかかわる委託事業は全て谷澤総合鑑定所で、仮バスターミナルにかかわる工事は全て吉永産業あるいはその共同企業体となっています。また、管理運営基本計画策定業務の委託は、この事業にずっとコンサルとしてかかわってきたザイマックスプロパティズであります。このような結果を見ると、本当に競争性のある公正な入札や選定業務が行われたのか、内容がわからないだけに大変疑問です。
私は、昨年4月に工事をされました基本設計・実施設計業務委託の公募プロポーザルについて1者しか応募がなかったことについて昨年の6月議会で、競争性のない契約ではまずいと指摘しました。その後の契約事案について、複数業者が応札し競争性のある公正な入札であったことを、局長は今のホームページ上の情報からどのように確認されているのか教えていただきたいと思います。
〔永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博 都市建設局長 再開発会社が事業認可をとって、さまざま今実施設計を含めて工事の発注もやっております。
入札関係につきましては、私が直接確認しているわけではございませんが、応札があって、その入札の開札については私どもの職員が立ち会ってきちんと行われているということを確認して、実施されております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 何度も言いますように、大変多額の税金を使う事業ですので、今私どもの職員が確認していると言われましたけれども、その報告は受けておられないんでしょうか。
〔永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博 都市建設局長 それぞれの入札の状況について報告を詳細に受けているわけではございませんが、適切にやられているということは報告を受けております。
〔上野美恵子委員 登壇〕
◆上野美恵子 委員 職員から報告を受けておられる、職員が確認されている内容について、複数の業者が応札しているかとか競争性があるかとか、そういう内容につきまして、後日私の方に御報告いただきますようにお願いしておきます。
昨年度までの契約に比べて、今年度以降、いよいよ本格実施の中で契約も実施設計並びに工事契約と、1件で二百数十億という大きな事業の契約が発生してまいります。それだけに、競争性のある公正な契約を行うこと、その透明性を図ることは欠くことのできない契約業務の条件と言えます。
熊本市としては、再開発事業者に対し、事業費の大半を税金で賄う事業であるということの認識を促し、適正な契約業務と必要な情報公開を行うよう、責任を持って事業者を指導していくべきであると思います。
また、熊本市が再開発事業に対して補助金を出したことに対し、年度末に市街地再開発事業完了実績報告書が提出されています。しかしその内容は、補助対象の業務内容と使われた金額、業者名程度しか書かれておらず、補助金が適切に使われたのかを判断できるような内容ではありません。この点でも多額の補助金を出していくのですから、補助金を使った事業の詳細について、熊本市への報告を行うべきではないかと思います。この点も再開発事業者へ要望していただくことを要望いたしまして、質疑を終わります。
○三島良之 委員長 上野美恵子委員の質疑は終わりました。
次に、那須円委員の質疑を行います。
〔那須円委員 登壇 拍手〕
◆那須円 委員 日本共産党熊本市議団の那須円です。
引き続きお尋ねしたいと思いますけれども、私は26年度、昨年度の当初予算の編成に当たって、第1回定例会総括質疑において市営住宅改修経費、学校施設の維持補修経費について取り上げました。
26年度の予算については、第5次行財政改革との整合性を図るとして、前例主義から脱却し、全ての分野でコスト縮減を図るとの方針のもとで、さきに上げました予算についてはいずれも担当課からの予算要望に対して減額査定となっていることに対しまして、幸山前市長に維持補修経費の予算増額を要望いたしたところです。
しかし、原案どおりの予算が可決されたわけですけれども、そこで26年度決算については、住民生活にかかわる道路などのインフラ整備部分において、また、子供たちの学校施設について26年度予算執行を経て、どのような状況や課題が残ったのかについてお尋ねしたいと思います。
まず、決算状況報告書220ページの道路橋梁維持補修事業についてお尋ねいたします。
昨年度、決算において残った課題として、国県道や幹線市道以外の道路、生活道路の舗装が思うように進んでいないとの指摘がありますけれども、具体的にはどのような課題が残ったのでしょうか。また、これにより住民生活にどのような影響を及ぼしたのかお尋ねいたします。また、橋梁の維持修繕事業についての長寿命化修繕計画とその進捗状況などもお示しください。
次に、学校施設の維持補修経費についてでありますけれども、市内各小中学校からは毎年施設整備要望書が出され、老朽化なども含め要望も多岐にわたって上げられております。廊下の凹凸がすり減って転倒の危険があるだとか、プールの塗装が剥がれて足を切るなど、安全面での問題があるので改善してほしい、外壁の剥離の危険がある、フェンスや掲揚台の支柱が腐食して折れるおそれがある等々が記載されております。私ども市議団も学校に出かけて直接現場の声を聞いてまいりました。その中で、施設課の職員の方が鋭意学校の要望に応え対応されている姿もよくわかりました。ただ、実際にお聞きした中では対応が必要な課題も残されているとの認識を新たにしたところです。
そこでお尋ねいたしますけれども、平成26年度の減額査定分が学校現場にどのような影響を及ぼしたのか。また、学校現場から出された要望についてどれほど応えることができたのか。維持補修についての課題をどう認識しているのか。また現予算規模で十分との認識はあるのか。
以上、都市建設局長及び教育長にお尋ねいたします。
〔永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博 都市建設局長 私からは、道路橋梁維持補修事業についてお答えさせていただきます。
国県道や幹線市道につきましては、基本的には10年間ひび割れが90%の確率で発生しないよう、計画的な舗装打ちかえを行っているところでございます。また、生活道路につきましても計画的な維持管理を行うことが市民サービスの向上の観点から望ましいと考えておりますが、大型車を含む車両の通行量が少ない道路でもありますことから、ひび割れ等が多く発生したときなどに舗装の打ちかえや補修を行っております。
なお、舗装に関する市民からの相談要望の件数は、直近の3年間においてはほぼ横ばいの状況でございまして、平成26年度は1,230件、年度内の処理状況は78%程度でございます。
次に、橋梁長寿命化計画とその進捗状況につきましては、本市で管理する橋梁2,849橋で、おおむね5年間で実施する早期対策が87橋、おおむね13年間で実施する予防保全が133橋となっております。平成26年度までに29橋において対策が完了しておりまして、平成27年度は27橋を予定しているところでございます。
今後も、舗装や橋梁などの道路ストックを点検し、適切な維持管理に取り組んでまいりたいと考えております。
〔岡昭二教育長 登壇〕
◎岡昭二 教育長 学校施設の維持補修経費に関するお尋ねにお答えします。
平成26年度予算におきましては、委員御指摘のとおり維持補修経費の要求額に対しまして減額査定が行われたところでございます。その中で、予算の適切かつ有効な執行によりまして、可能な限り学校からの要望に応えることができるよう努めたところでございます。また、要望の内容によりましては、次年度以降に改めて予算要求を行い、早い時期に対応できるよう取り組んでいるところでございます。
また、学校現場からの出された要望にどの程度応えられたのかということでございますが、学校からの要望内容は多岐にわたっておりまして、実現するためには方策の検討が必要なものや、また、工夫することで学校が個別に対応できるものなどもございまして、そのような中、要望全てに対応できているわけではございません。学校との連携を密にし、効率的な予算の執行によって少しでも多くの要望に応え、対応できますよう努めたところでございます。
また、維持補修の課題につきましてでございますが、限られた予算の中、十分に調査を行い、効率的な手法によってより多くの要望に対応していく工夫が必要であると考えております。加えて、どのようなふぐあいが安全面や教育活動に支障を及ぼすのかなど、優先順位を考えた上で維持補修を計画していく必要があると考えております。
最後に、維持補修経費の予算規模についてでございますが、学校施設の整備に当たりましては、現在進行中の龍田西小学校や特別支援学校の建設を初め、小中学校普通教室へのエアコンの設置、バリアフリーの推進など多くの課題がございまして、全体の事業量を考え、取り組みを進めていく必要がございます。
そのような中で、この維持補修経費につきましては、学校からの要望に基づき現場を確認した上で予算要求を行っているところでございますが、その全てが措置されているわけではございません。しかしながら、教育委員会といたしましては、限られた予算を最大限有効に活用し、児童・生徒の安全性の確保を第一に考え、今後も施設整備や維持補修に取り組んでまいりたいと考えております。
〔那須円委員 登壇〕
◆那須円 委員 御答弁いただきましたけれども、生活道路整備においては、計画的な維持管理を行うことが望ましいのだけれども、実際はひび割れ等が多く発生したときなどに舗装の打ちかえ補修を行っているとの答弁でありました。市民からの相談要望のうちの78%に対応したとの答弁でありました。
市道の補修経費、単費分の決算額ですけれども、平成26年度は6億2,000万円と前年度から1億円強決算額が落ち込んでいる状況であります。こうした中で、道路管理瑕疵による補償対象件数も、平成24年は43件、25年は26件、26年は30件と、ポットホール、穴ぼこや段差などが原因でけが、そして自転車等の破損が発生し、市民の安全にも課題を残していると思います。
さらに、学校施設の維持補修経費については、可能な限り学校要望に応えることができるよう努めていると答弁があったところですが、同時に優先順位を考えた上で維持補修を計画する必要があり、その全てが措置されているわけではないとの答弁でありました。この要望書にはさまざまな要望が上がっていますけれども、児童・生徒らの安全性を懸念し、学校現場だからこそ気づくことができる危険箇所の指摘、要望改善もかなりの数が上がっています。
そこで、26年度の予算執行を受けての課題として大西市長にお尋ねいたします。
これらの維持補修経費は、26年度当初の予算編成の中で、担当課からの要求額より減額されたものです。少なくとも、私は現場の声、住民の声を十分に反映しているものとは思えないし、もっともっと市民の声に向き合う必要があると考えています。
平成26年度予算編成については、予算編成方針文書の中で指定都市にふさわしい都市基盤の整備を進める中で、将来的に公債費の増加、かさむことが予想されることから、一般財源についてもより厳しい見通しとならざるを得ないと、こうした熊本市財政を分析した上での減額査定となったものです。
指定都市にふさわしい基盤とは何かということも聞きましたけれども、幸山前市長答弁では、連続立体交差推進経費、国県道整備、そして先ほど質問でも出てきましたけれども、桜町再開発等であるということが示されました。
確かに整備を進めなければならない事業もあることは確かですが、しかし、10億円、20億円の単位で事業費が膨らむ桜町再開発など、予算規模の大きな事業の経費確保の一方で、学校施設や市民生活に直結した事業、とりわけ生活道路、学校施設等の維持管理修繕経費など、市民の生活の安全にかかわる予算が削減されることがあってはならないと考えます。
決算から見えてきた課題として、市民生活により密接にかかわる維持管理修繕予算については増額を図る必要があると考えますが、大西市長の認識をお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 市民生活に密着しております道路の維持補修でありますとか、あるいは学校の施設の継続的な維持補修、そういったものに対しては、先ほど関係局長が答弁申し上げましたとおり、限られた予算の中で現場の声を聞きながら安全面や緊急性を考慮しつつ、効率的な執行を図ることで適切に対応してきているところだと認識しております。
当然のことながら、いろいろなニーズがたくさんあることは私自身も承知しております。26年度の編成方針は、私はかかわっておりませんけれども、今後の予算編成の中でも限られた財源の中で、施設の長寿命化であるとかライフサイクルコストの縮減を図る、あるいは子供たちの安全、そういったものにかかわるもの、あるいは道路、そういった維持、そういったものにも適切に、緊急性の高いものについては適切に措置していくべきだと考えておりますので、今後そのように取り組んでいきたいと考えております。
〔那須円委員 登壇〕
◆那須円 委員 安全面や緊急性を考慮しつつ、効率的な執行を行っているという答弁でありましたけれども、それは本当に当然のことだと思いますが、私は大事なのは、実態にその予算が見合ったものなのかという点であると思います。
引き続き市長に認識をお尋ねしたいと思うんですが、今回の質疑において、改めて学校からさまざまな要望が記載された施設整備要望書というものを拝見させていただきました。こういう分厚いものですけれども、市長もごらんになったことがあるかと思いますし、もしなければぜひごらんいただきたいと思いますけれども、この要望書、26年度の予算執行が行われる前の要望書でありますけれども、学校の先生方が、それこそ子供たちの目線で、少しでも快適にそして安全な施設へと改善してほしいという思いで要望を上げておられます。恐らく2,000項目ほどあるのではないかと思いますけれども、その全てを一気に解決するというのは難しいかもしれません。しかし、せめて危険性が指摘されている部分については、また安全性の確保を求めている項目については、もっと真摯に受けとめて改善を図っていくべきだと考えます。
要望書には、教育委員会が所管している147校の学校施設からの要望が出されていますけれども、このうち危険な箇所の改善、安全確保を求める項目が入っている学校が119校あります。実に8割を超える学校から指摘が上がっております。その中で、既にけががあったという指摘もありました。
これらの要望が、平成26年度の予算執行を経て、一体どうなったのか。改めて予算執行が行われた後の1年後の要望書を確認いたしました。危険箇所を上げていた119校のうち、次年度も同じ項目を上げている学校は95校残されておりました。ある学校は、体育館内の床の板割れ、たわみや浮き、反っている箇所が多数あって、足がとられ転倒する可能性があり危険、また至るところから釘が浮いており、その都度抜いたり打ちつけたりしている数が多いため危険という要望を上げられています。しかし、1年後の要望書には、やはり同じ項目が上げられて、改善が進んでいないということがうかがえます。
またある学校は、北校舎の非常階段は塗料が剥げ、鉄板の腐食が進行しているために使用を禁止している、早急に改修が必要と要望されていますけれども、やはり1年後の要望書には同じ要望が記載されて、改善が進んでおりません。災害の際に非常階段すら使えないという状況、この要望は平成24年度からの要望ですので、3年連続の要望となっています。こうした状況を放置していいのか、こうした問題が問われているのだと思います。
先ほど答弁はありましたけれども、要望書に記載されている具体的な声を幾つか紹介しますけれども、修理に追われて配当予算では足りない現状です。施設修理費の増額をぜひお願いしますということもありますし、優先順位という言葉が先ほどの答弁の中でも出てきましたけれども、順位をつけろと言われても、危ないと思われるところがたくさんあり過ぎて困ってしまう。限られた予算だと重々承知しているが、危険箇所については早急な対応をお願いしたいと、現場の声は本当に切実であります。
これまでの予算推移では、こうした声に応えることができません。これは、決して教育委員会の取り組みの問題ではありません。実際に現場に足を運び、限られた予算の中で入札残なども活用しながら最大限の努力をされていることを、私自身も知っております。あとは、私は、大西市長が教育現場の声をしっかりと受けとめるかどうかの問題だと思います。
先ほど答弁の中でも、一程度気持ちは伝わってきた部分もあるんですけれども、学校からの声をしっかり受けとめて、予算増額、予算配分も含めて積極的な姿勢が感じられる答弁を、もう一度大西市長に求めたいと思います。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 那須委員が御指摘のように、要望書で改善がなかなか進まないということでありますけれども、私自身もさきの台風災害のときにも幾つか学校現場に行き、例えば倒木だけでなく、いろいろな傷んでいる状況もつぶさに目にしたところです。
そういう意味では、こういった要望をしっかり現場、教育委員会あたりとも確認をしながら、また財政当局ともしっかり連携しながら、これからそういった危険箇所をしっかり排除していくということを取り組んでいきたいと考えております。
〔那須円委員 登壇〕
◆那須円 委員 御答弁ありがとうございました。学校現場にも実際に足を運ばれて、その実態なんかもつかまれておられるということでした。決算審議でいろいろな課題が明らかになった、そうしたものが次年度にしっかりと生かされていくことを望みたいと思います。
今後インフラ、さらには学校も含めてさまざまな公共施設の維持更新など大きな課題として取り組む必要があるかと思いますけれども、きょう指摘いたしましたように、市民また学校における子供たちの安全性の確保のためにも、最優先に維持管理に努めていただきたい、そのことを求めまして私の質疑を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○田尻将博 副委員長 那須円委員の質疑は終わりました。
以上で日本共産党熊本市議団の質疑は終わりました。
次に、くまもと創生、大石浩文委員の質疑を行います。持ち時間は20分となっております。
〔大石浩文委員 登壇 拍手〕
◆大石浩文 委員 光栄にも総括質疑のトリを務めさせていただくことになりました、くまもと創生大石浩文でございます。
実は私、大西市長とは、大西一史、大石浩文、名前がよく似ております。ですから、以前は大西さんですかとよく間違えられたことがございました。当時、初めて会った方と話の途中で、当時の県議でした大西さんと間違えているのではないかなと気づいたときは、正直申し上げますと、何回か大西さんのふりをしたこともあります。まずはこの場で、以前に大西さんのふりをしたことをおわび申し上げたいと思っておりました。
その大西市長と、今回
予算決算委員会で初めて質疑を交わさせていただくこととなったわけであります。市長にはこれまで、議会人の先輩として幾度となく御指導いただいてまいりましたので、このような立場で向かい合う現在の状況は非常に感慨深いものがございますが、しかしながら、私の持ち時間はもう18分になってしまいました。早速質疑に入りたいと思います。
今回の決算は、幸山前市長が編成した予算の決算であり、その多くを前市長が執行されたものでありますので、大西市長には、今回の決算状況から、本市の決算状況をどう捉えられており、そこから見えてくる課題について、今後どのような方針、考えで取り組まれていかれるのかを、ポイントを絞ってお聞きしたいと思いますので、市長、よろしくお願いいたします。
まず、本市の平成26年度の決算状況及び財政指標についてですが、これについては、これまでの質疑、また先ほど藤永委員からも午前中の質疑でございましたので、ここではポイントのみ述べさせていただくこととします。
財政指標のうち、経常収支比率及び財政力指数の2つについてでありますが、まず経常収支比率というのは、簡単に言うと熊本市の毎年必ずかかる経費、いわゆる経常経費が自由に使える収入に対してどれぐらいあるのかという比率のことで、70%から80%にあるのが本来望ましく、80%を超えると財政構造の弾力性が失われつつあると言われており、26年度は、本市は90.6%とやや上昇しております。これは、自由に使える収入のうち9割が毎年必ずかかる経費に費やされており、裏返せば自由に使えるお金は約1割という本市の硬直化した財政構造を示しております。
また、財政基盤の強さを示す指数とされ、数値が高いほど財源に余裕があると言われます財政力指数については、平成26年度は0.697とやや改善されております。しかしながら、政令市との比較では、20市中最下位、政令市平均0.853に対して0.697と、本市の財政基盤の弱さを顕著に示すものとなっています。この数値、0.697を1から引いた残りの0.3ほど、ほぼ3割が市の歳入のうち不足分として
地方交付税で補填される割合ということになり、本市の自主財源の低さを示しているものでもあります。
この2つの財政指標の数値について、市長の本委員会でのこれまでの答弁では、今後さらなる経常経費の抑制、そして市税などの自主財源の確保を中心に、財政基盤の強化に努めると述べられました。これまでも指摘されてきました財政構造の硬直化、財政基盤の弱さという本市の財政の課題解消に向けて取り組む姿勢を明確に示されたと理解いたしましたので、ここでは答弁を割愛し、次の健全化判断基準に移らせていただきます。
続けて、次の健全化判断比率についてであります。
御存じのように、平成19年6月に成立した地方公共団体の健全化に関する法律によって、地方自治体の財政破綻を未然に防ぐため、健全化判断比率を計算し公表することが義務づけられております。
そこで、まず実質公債費率ですが、これは毎年度経常的に収入される財源のうち、簡単に言うと実質的な借金返済に充てるお金の割合のことです。決算資料として配付された監査委員による審査意見書では、平成26年度決算における実質公債費比率は、前年度より0.7ポイント低下しており9.9%となっており、早期健全化基準25%を下回っていると書かれております。
もう一つの指標、将来負担比率についてであります。この指標は、文字どおり一般会計が将来負担すべき実質的な負債、借金の標準財政規模に対する比率のことであり、この指標についても、審査意見書では将来負担比率は前年度より0.1ポイント低下しており122.4%となっている。したがって、早期健全化基準400%を下回っているとのことであります。
これらの指標に対する早期健全化基準というものは、あくまで地方自治体が破綻寸前の状況となっていないかを判断する基準であり、その趣旨から言えば、そのような状況には至っていないと見ることができます。
しかしながら、この財政健全化比率及び先ほどの財政指標にも大きな影を落としているのが
臨時財政対策債の存在であります。このことは、昨年度の本委員会においても落水委員が、
臨時財政対策債に対する危機意識が足りないと指摘されました。また、大西市長就任後の昨年12月の本会議においても、市長が県議時代に
臨時財政対策債の増加に危機感を持たれていたこともあり、その見解を求められております。
私も今回の決算審査に当たり、この
臨時財政対策債に対し今後どう向き合っていくのかが非常に大きな課題であり、判断を誤れば将来の財政運営に支障が生じかねないと強く感じましたので、今回この
臨時財政対策債の持つ不可思議さと危機的要素について議論させていただきたいと思います。
今回は改選後初の決算審査ですので、あえて簡単に説明いたしますと、
臨時財政対策債とは、地方自治体に交付される
地方交付税の原資が不足していることから、国と地方自治体が折半して補填することとし、地方負担分については起債、つまり借金して賄うこととし、当初平成13年度から3年間の臨時的な措置として導入されましたが、その後も財源不足は解消されずに、現在までも延長されているものです。
この借金の元利償還金は、後年度において
地方交付税で措置することとされており、つまり借金のローン返済は、国が毎年の
地方交付税と一緒に払いますよということになっているわけです。
これが導入された平成13年度は28億円ほどであったものが、平成26年度決算の歳入額では約219億円まで膨らんでおります。
地方交付税の歳入額が約351億円ですから、本来交付されるべきであった
地方交付税額約570億円のうち約219億円、約38%を熊本市の借金で用立てたということになります。これまで借金してきた
臨時財政対策債残高に対しての昨年の返済額は約55億円、市の借金全体の返済に充てた額である公債費約321億円のうち約55億円、約17%となっております。この55億円は、前の
地方交付税570億円から払っているということになります。
このことは、実態として、借金の返済を新たな借金によって賄っていることにもなり、結果として
臨時財政対策債残高は、平成22年度約645億円であったものが、26年度末で約1,271億円と、この4年間でほぼ倍増となっており、この
臨時財政対策債が、雪だるま式にふえるといった自己増殖性を持つものであることを示しています。
さらに、ことし2月に財政課がまとめました財政の中期見通しにおいては、この
臨時財政対策債は5年後の平成31年度には1,917億円へと増加。これに伴い、本市の借金総額である地方債残高は、26年度末約3,497億円から、31年度末には約4,378億円へと増加する見込みとなっているのです。
そこで市長にお聞きしたいのですが、昨年12月に市長が強い危機感を持っていると言われた
臨時財政対策債の抱える問題点、その危機的要素とはどのような点とお考えでしょうか。具体的にお答えいただければと思います。
また、26年度決算における
臨時財政対策債残高の現状、さらには31年度末には約1,917億円へと増加すると見込まれます今後の推移についての市長の御見解をお示しください。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 まず、
臨時財政対策債の残高につきましては、平成13年度の28億円から年々増加いたしまして、平成26年度では1,271億円となっておりまして、普通会計における市債残高全体の36%を占めております。
財政の中期見通しにおきましても、今後毎年度100億円程度増加いたしまして、平成31年度には1,917億円、市債残高全体に占める割合が44%になると見込んでおります。
この結果、
決算概況説明において財政局長が申し上げましたとおり、市債の総残高が増加することとなっておりまして、
臨時財政対策債が市債発行額の抑制や市債残高削減に向けた取り組みの支障となっていることについて、私自身も危機感を持っているところでございます。
特に国におきましては発行可能額の決定がなされ、その元利償還金については後年度において
地方交付税措置がされるということでございますが、これが国において後年度措置されるからといって、決してこれが国の借金ということではなく、最終的に本市の判断で行った借金であるということを意識しながら、財政規律を守っていくという必要があると考えております。
一方で、
臨時財政対策債については、不足する
地方交付税の原資について、国と地方が折半して補填することにより、安定的な地方財源の確保が図られていることについても認識しておく必要がございます。
ただし、本来不足する原資については、国において
地方交付税の法定率引き上げ等により、
地方交付税総額を確保することによって対応されるべきものであることから、引き続き地方六団体や指定都市市長会を通して、
臨時財政対策債の廃止について強く要望してまいりたいと考えております。
〔大石浩文委員 登壇〕
◆大石浩文 委員 ありがとうございました。
私も、この
臨時財政対策債には、大きく分けて2つの問題点が存在すると考えております。
第1に、
臨時財政対策債が交付税の先食いとなる点です。これは、後年度の
地方交付税において、地方債の元利償還に充てられる割合、これは借金返済の割合が要はどんどん大きくなり、
地方交付税、ひいては地方財政全体における財政硬直化が進むこととなり、財政健全化を阻む一つの要因になると思います。
2番目に、行政サービスから受ける利益の大きさに応じて税負担をすべきであるという応益原則に反し、負担の世代間格差を増大する点です。交付税の先食いは、言いかえれば将来に
地方交付税負担を先送りしたと言えます。
臨時財政対策債は、建設地方債と異なって、経常的経費にも充てることができる赤字地方債であり、起債の恩恵を受ける世代は発行された年度であり、元利償還の財源は後年度世代の負担ということから、交付金の先食いという点で世代間格差が増大し、世代間の公平さを失わせるということにあると思います。これは、将来世代に
社会保障費の負担とあわせて二重苦を負わせることになってしまいます。この
臨時財政対策債は、近い将来地方財政の、これは熊本市だけのことではありませんが、健全化を妨げる主因となっていくのではないでしょうか。
ここで確認しておきたいのは、この
臨時財政対策債という制度において国が示しているのは、あくまで発行可能額であるということ。つまり発行は任意であり、市長の言われたとおり、地方自治体の判断と責任において行う借金、赤字地方債であるということです。また、実際の発行額にかかわらず、発行可能額にかかる元利償還金相当額が償還時の
基準財政需要額に全額算入され、後年度に交付税措置されます。ですから、仮に地方自治体がみずから発行を抑え、発行可能額の5割とか、もしくは8割しか借金しなくても、後年度の元利償還金は発行可能額全額分、10割が交付税措置されるということに理論上なります。
したがって、地方自治体は全額発行しなくても、何も損をするわけではありません。逆に後年度においては、
地方交付税のいわゆる真水の部分、他の経常経費に自由に充てられる部分は増加することとなり、財政の余裕は増すこととなるのです。ですから、世代間の公平性、将来負担を考えれば、私はただ漫然と発行可能額どおりに借金していくことをやめ、ここで一度立ちどまって
臨時財政対策債の発行額を抑制していく、発行可能額よりどれだけ下回る発行額にとどめていくかとの前提に立った財政運営に切りかえていかなければならないのではないかと考えます。
全国の自治体が発行する平成27年度の
臨時財政対策債の発行予定額は4兆5,250億円です。また、
臨時財政対策債の総額は、全国で平成25年度末で約45兆円と言われております。この膨大な額の償還が、今後
地方交付税の一部を掘り崩していきます。この全体額がふえてしまうと、
地方交付税の真水の部分は減っていきます。
地方交付税において約束した借金返済部分以外の部分が削減されていくことは容易に推測できます。最悪の場合は借金返済部分をも削減されかねない事態になれば、今後この先見えてくるのは、やはり歳出削減、もしくは歳入増のための増税、そういったどちらかの選択を迫られるはずです。このままではまさに将来へのつけ回しとなります。
そこで大西市長にお尋ねいたします。市長の言われた問題点、また私もるる述べさせていただきました問題点を抱えている
臨時財政対策債。この
臨時財政対策債を含めた地方債全体での抑制について、今後どのように取り組まれますでしょうか。
臨時財政対策債発行可能額より抑えての起債に取り組むことの可否も含めて、御見解をお聞かせください。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 市債の抑制については、第5次行財政改革計画において、
臨時財政対策債を除く通常の市債残高について、平成30年度に普通会計ベースで2,500億円程度を目標に掲げているところでございます。
通常債の残高につきましては、これまでの財政健全化に向けた
投資的経費抑制の取り組みにより、合併の影響を除き減少傾向で推移してきたものでございますが、今後は国県道の整備事業などの本格化や新たな大型投資に加え、老朽化した公共施設の一斉更新など
投資的経費の増加に伴い、通常債の残高も増加傾向に転じると見込まれているところでございます。
このことから、さらなる事業の選択と集中や、年度間調整などを行うことで、投資水準全体の調整を図るとともに、資産マネジメントの観点から資産総量の適正化や長寿命化に努め、将来世代への過度な負担を招かないよう、健全な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
また、
臨時財政対策債につきましては、本来
地方交付税として全額交付されれば借りる必要はないわけでありますが、その一部が
臨時財政対策債に振りかえられている現状において、他の
政令指定都市と比較して
自主財源比率が低い本市にとっては、ごみ処理や消防、教育、福祉などさまざまな分野において、一定水準の行政サービスを提供するための重要な一般財源として活用しているところでございます。
委員御提案の発行可能額未満での起債につきましては、このような行政サービスの提供に当たり、現役世代と将来世代の受益と負担のバランスを考える上で重要な問題提起と理解しております。
しかしながら、本市としては、まずは新たな税財源の確保や、現在策定中の熊本市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略に基づき、産業や観光の振興を図り、雇用の拡大に努めるなどの税源の涵養により、自主財源の拡充を図り、
地方交付税や
臨時財政対策債に依存する割合を少しでも縮減することが重要であると考えております。
加えて、今後の社会環境の変化を見据えた市民サービスのあり方などを含めて、全ての事務事業について改めて精査を行い、事務改善や歳出の効率化などの行財政改革の推進に最大限取り組み、
臨時財政対策債の発行額が少なくなるような歳入歳出構造を目指してまいりたいと考えております。
〔大石浩文委員 登壇〕
◆大石浩文 委員 ありがとうございます。
国の借金が1,000兆円を超えるとも言われる中、次の世代にツケを残さない市政への転換、将来世代への負担軽減の実現が私たちの世代の使命でもあり責任であると考えますし、市長も同様の思いで市政運営に当たられていることは十分理解しております。であれば、やはり将来負担の高い次世代先送り型の財政構造は改善されるべきであります。地方自治体みずからが、やはり何らかの財政規律を働かせる必要があると考えますので、ぜひとも早急な取り組みをお願いしたいと思います。
それでは、時間も押してまいりましたので、すみません、急ぎ足で次の項目に移ります。
これまで述べました平成26年度決算から浮かび上がる、本市の財政構造を改善するための取り組みとなります行財政改革及び
自主財源確保策についてであります。その中でも、特に本市の財政構造を硬直させている経常経費の中で、最も負担の多い人件費の削減についてお聞きします。
本市においては、平成8年度の第1次行政改革大綱から、現行の第5次行財政改革計画へと連なる改革に取り組んでまいりました。現行計画においても、平成31年度職員数6,300人を目標に取り組むこととしております。大西市長もマニフェストに、可能な限りの職員数の削減を図ると明記されておりますし、同様の発言を議会でもされてまいりました。
そこでお尋ねしたいと思います。市長は今後、この総人件費の削減についてどのようにお考えでしょうか。前市長時代に策定された現行計画を引き継いで取り組んでいかれるのかも含めて、できれば職員定数管理、給与管理、人事管理、それぞれについてお考えをお示しください。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 総人件費の抑制についてお答えいたします。
今後、本格的な人口減少、超高齢社会を迎え、財政状況が厳しさを増す中で、第5次行財政改革計画に積極的に取り組んでおりまして、とりわけ総人件費の抑制は力を入れていかなければならないと考えております。
そこでまず、26年度一般会計における一般職の人件費決算につきましては、前年度との比較で、選挙に要した人件費を除き、約24億8,000万円の増加となっております。その主な要因は、平成25年度に実施した平均7.1%の給与カットが同年度末に終了したことや、人事委員会勧告に基づき、給料や勤勉手当等のプラス改定を実施したことなどによるものでございます。また一方で、行財政改革計画に基づき、時間外勤務縮減や、持ち家に係る住居手当の廃止などの取り組みにより、一定の人件費削減も行ったところでございます。
今後の取り組みとして、まず正規職員につきましては、中期定員管理計画によりまして、平成31年4月1日時点までに6,300人とすることとしておりまして、業務の見直しや業務委託の推進などにより、その達成を図ってまいりたいと考えております。また、給与につきましては地方公務員法に基づき、職員の給与は生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与、その他の事情を考慮して定めることとされておりまして、今後とも本市人事委員会勧告を踏まえながら、必要な見直しを行ってまいります。
加えて、時間外勤務につきましても、本市は他の指定都市と比べて1人当たりの勤務時間数が多いと認識しておりまして、今後も職員一人一人の事務処理能力の向上や、簡素で効率的な組織機構への見直し、事業の廃止や統合なども進め、削減していきたいと考えております。
一方で、今後の人事管理のあり方については、権限移譲や市民ニーズの多様化等、行政需要が増加する中、限られた人員や財源で的確に対応していくためには、職員の能力向上に向け人材育成は不可欠かつ重要と考えておりまして、研修などを通じて時代の変化や市政の課題に適切に対応できる職員の育成にも努めてまいりたいと考えております。そのためにも、職員の能力、態度、実績を適切に評価し、職員の任用、配置、給与等に反映させることで、職員のやる気を高め、組織力の強化につなげていくなど組織体制の効率化とともに、職員が持てる能力を最大限発揮できる職場環境づくりにも力を入れてまいりたいと考えております。
〔大石浩文委員 登壇〕
◆大石浩文 委員 ありがとうございます。
市長からは現行計画に積極的に取り組むとの決意が示されました。職員数削減については、ぜひ行政の守備範囲を再度しっかりと見直しをしていただきたいと思います。
また、人事管理においては、私は、職員の能力、実績を伴う人事評価を実施し、給与手当へ反映すべきであると、これまでずっと考えておりました。今回、そういった職員の能力、態度、実績を適切に評価し、任用、配置、給与等に反映されると述べられましたので、ぜひ実現していただきたいと思いますし、人事評価においてはぜひ、職員の意欲と能力の両面を適切に評価していただきたいと思います。
それでは、最後の項目であります自主財源の確保策についてお聞きします。
地域における行政を自主的かつ総合的に実施していくためには、自主財源の充実確保を図っていく必要があります。そのためには、さまざまな自主財源の確保策がございますが、今後、特に税源涵養施策の積極的な展開等を含めまして、大西市長が今後、具体的にどのような自主財源の確保策に取り組まれていくおつもりでしょうか。また、税源涵養の視点もあわせ、どの分野に重きを持って取り組まれていくのかをお示しください。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 本市においては、先日の
決算概況説明でお示ししたように、市税収入が歳入全体に占める割合が低く、また自主財源の比率は減少傾向となっておりまして、他の
政令指定都市と比較しても低い水準となっておりますことから、今後も持続可能な行財政運営を進めていくためには、自主財源の確保が大きな課題となっております。
このため、市税の収納対策を初め、債権管理の強化や公平公正な受益者負担のあり方の検証、また民間の知恵や工夫を生かした新たな歳入の確保などに積極的に取り組んでいく必要があると考えております。
このほか、産業の振興や観光・文化の振興により、地域経済の活性化や地域の活力の向上に向けて全庁的に取り組んでいくことにより、税源の涵養や税収の拡大を図ってまいりたいと考えております。その中でも特に地場産業の振興につきましては、地域経済の発展や雇用の場の確保拡大に資するものでありまして、ひいては本市の自主財源の確保に大きな役割を果たすことから、将来にわたる健全な財政運営にとって大変重要であり、現在策定中の熊本市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略においても、地場産業の振興を大きな柱の一つと捉えており、今後も施策の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
〔大石浩文委員 登壇〕
◆大石浩文 委員 ありがとうございました。地場産業の発展に取り組んでいきたいという言葉でございました。
大西市長におかれましては、ぜひ確固たる財政基盤の上で、都市経営の原点である市民の安心と安定を実現させ、目指すべき新たな都市像に向けての発展を図っていただきたいと思います。
26年度決算に当たり、大西市長の今後のリーダーシップに改めて大きな期待をしまして、今回の私の質疑を終了いたします。どうもありがとうございました。(拍手)
○三島良之 委員長 くまもと創生、大石浩文委員の質疑は終わりました。
以上で総括質疑は終わりました。
次に、付託議案の取り扱いについてお諮りいたします。
付託議案の詳細審査につきましては、お手元に配付しております一覧表のとおり、各分科会が分担することで御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○三島良之 委員長 御異議なしと認め、そのように取り扱うことに決定いたします。
次回当委員会は、9月30日(水曜)午前10時に開きます。
なお、次回の委員会における締めくくり質疑の通告期限は9月29日(火曜)午前10時となっておりますので、委員各位、御承知おき願います。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後 2時16分 閉会
出席説明員
市長 大 西 一 史 副市長 高 田 晋
副市長 植 松 浩 二 会計管理者 齊 藤 保 夫
理事 田 雜 隆 昌 総務局長 多 野 春 光
財政局長 木 下 修 一 観光文化交流局長 西 島 徹 郎
都市建設局長 永 山 國 博 交通事業管理者 西 本 賢 正
教育長 岡 昭 二 代表監査委員 飯 銅 芳 明
議会事務局職員
事務局長 大 杉 研 至 事務局次長 木 村 建 仁
議事課長 富 永 健 之 調査課長 本 田 正 文...